意外性より確実性を―。横浜DeNAの嶺井博希捕手(31)は安定感の向上を掲げてオフシーズンのトレーニングに励む。プロ9年目の今季は攻守に存在感を示して正捕手の座に近づくも、後半戦に状態を落として打率2割5厘に終わった。「成績が下がったのを含めて自分の実力。1年間を通して、という点を頑張りたい」と誓う。
本拠地では6度、お立ち台に上がった。93試合の出場ながらリードオフマンの桑原と並び、中軸の宮崎を上回る数。それだけ目立つ活躍が多かったことを意味するが、嶺井の表情は険しい。
「『印象に残る』とか『意外性』とか言ってもらったけど、打っても取り上げられないくらいの結果を1年間通して残したい」。打って騒がれるうちはまだまだ、というわけだ。
三浦監督の就任後初めてセ・リーグ2位に浮上した前半戦。嶺井は開幕直後に2軍落ちも4月に再昇格すると、鋭い洞察力を生かした配球と勝負強い打撃で出場機会を増やした。相川バッテリーコーチも「ゲームをつくって試合を進めることが一番できたのが嶺井だったと思っている」とたたえていた。
ただ、後半戦は33試合でわずか15安打と失速し、スタメン落ちする日も増えていった。
7月に国内フリーエージェント(FA)権を得ており、去就が注目される。嶺井は「これからゆっくり考えさせてもらって、球団と話す」と述べるにとどめ、こう続けた。「走攻守、全て。体力面もメンタル面もまだまだ伸びると信じてやっていきたい」と鍛え上げる覚悟だ。
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