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総評

「きっとあなたの心の中にも、ヒーローはいる」。脳に重い障害のある友達を笑わせようという素朴な願いを持ち、自身も車いすの利用者だった少年たちや家族の思いを丹念に引き出した記事。20年が経過して他界したメンバーもいる中、一貫して温かい気持ちや明るさがにじみ出る写真と文体で冒頭の言葉を印象付けている。
(LINE NEWS編集部)

ヒーローへの先入観をぶっ壊すこの記事の書き出し、ナイスです。「居心地悪そう」で「完全に浮いていた」ヒーローって、どういうこと!? たしかに、会場外で大勢が写っている写真を見ても、ものの見事に誰一人、ヒーローに視線すら向けていません。文と写真の合わせ技で、もう読者は「さくらンダー」のとりこです(笑)。
ヒーローを生み出した「右脳クラブ」は、それから2人が他界、2人が存命。その逝き方も生き方も、4者4様。さくらンダーの中身も役割も、20年で変遷。そうした移ろいの1つ1つを丹念に列記した文章に彩りを添える、色々な時代の写真や動画、魅力的な手描き絵本のイラスト。ビジュアル情報の大切さも充分に意識した構成で、内容的にも視覚的にもカラフルな記事が仕上がりました。
ほんの少し前の時代までなら地元民にしか読まれなかったこのローカル記事が、こうしてLINE NEWSを通じて全国に広まり、あちこちで、読者の心の中の色んなヒーローたちが動き出すーーー素敵な時代じゃありませんか。
(特別アドバイザー・下村健一氏)

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