<

総評

2019年6月に秋田魁新報社が報じた、イージス・アショア配備問題を巡るスクープの裏側を、大学生との対話を通じて振り返った記事。記者が調査報告書を読み込み感じた違和感を検証するため現地へ飛び、夕日の高さで"ずさんなデータ"を暴くエピソードは圧巻。声をあげることが、政治を動かす力になるというメッセージが込められている。
(LINE NEWS編集部)

2年半で1200本超もある、秋田魁新報のイージス・アショア関連報道。それをLINE NEWS向け特別記事で総括するなら、一体どのネタを始めと締めにするか? そこで取材班が敢えて選んだのは、「ある女子学生の授業中のか細い声」という、ごく小さなエピソードでした。
LINEという日常会話ツールの大きな特性は《敷居の低さ》ですから、そこで長い記事を読んでもらうには、ありふれたシーンから説き起こす方が良い。そんな構成上のセオリーと、「声を上げることの大切さ」というこの記事固有の主題とがぴたりシンクロして、読者を揺さぶる1本となりました。
そして、スクープ誕生のクライマックス場面。紙の束を持ち歩き足で現場を巡る古典的取材スタイルと、スマホで調べたデータで夕日の高度を割り出す"今どき"感のコントラストにときめきます。
時々紙面の写真をそのまま載せて誘って来るのにまんまとハマって、LINE NEWSのスクロールをきっかけに本家の新聞紙のページをめくってみるのも、悪くないですね。
(特別アドバイザー・下村健一氏)

記事を読む