旦那のDVから逃げるために、こっそり遠方の実家へ旅立つ準備をした私。もうこの家には戻らない覚悟です。
最低限の荷物を準備して、いよいよ子どもたちと家を出るというときに……玄関に出勤したはずの旦那が立っていたのです。
「もう何もかも無駄だったんだ……」力が抜けてしまいそうでした。
どれだけ暴力を受けていても、実は私には旦那を好きな気持ちがまだ残っていました。昔のことを思い返すと家を出る決心が崩れそうで、荷物を用意しているときにもずっと手が震えていました。
……それなのに、旦那にとって私たちは邪魔な存在でしかなかったのです。
長男は何かを感じ取ったのか、私に抱きついてきました。
「ママだいじょうぶ、いっしょよ」
その言葉に涙をこらえつつ、私は子どもたちと家を出ました。
その後、新幹線に乗って実家にたどり着き、父と母に今までのことを報告しました。話を聞いた父と母は旦那に対して非常に憤慨し、「当面の生活は心配しないでいい」と言ってくれました。
しかし旦那が実家に乗り込んでくる可能性もあるため、 父の勧めですぐにアパートを契約し、今は親子3人で暮らしています。
現在は離婚に向けて弁護士と相談を進めています。旦那は「別れたくない」とごねているようですが、 弁護士を通しているのでもう会うことはありません。まずは離婚を成立させ、これからは子どもたちと一緒に頑張っていくつもりです。
−− 終 −−
※全4話