旦那から私への暴力はますます激しくなり、まだ2歳の長男までもが危害を加えられるようになってきました。
「子どもなんて、言うことを聞かないなら殴ればいい」そう言い放った旦那に私は恐怖を感じたのです。大切な子どもたちを守るため、すぐに逃げなくちゃ……でもどうすれば良い……?
なによりも子どもたちを守らなければ! その気持ちだけが私を動かしていました。保険証、母子手帳、通帳、印鑑、子どもの今までのアルバム、へその緒……。取りに戻れない可能性も考えて、というか戻らない気持ちで、持ち出すこと。必要最低限のものを持ち出そうと考え、ひとまず小ぶりのバックに貴重品類をまとめてみました。それを見て、なんだか腹をくくれた気分がしました。
実家までは新幹線に乗る距離です。子どもは2歳と生後1ヶ月……まだ小さくて遠距離移動に耐えられるのかも不安でした。ですが、そんなことは言っていられません。(チャンスはもう明日しかない……!)旦那がお風呂に入っている間に、その他の荷物もこっそりまとめておきました。
決行の日。旦那が出勤した後、まとめておいた最低限の荷物を引っ張り出し、いつも使う大きなママバックに詰め込みます。長男に小さなリュックを背負わせ、抱っこ紐で下の子を抱えて、子どもたちも出かける準備は万端。
「これでよし、あとはもう出るだけ……」
玄関に向かうと突然「ガチャ!」と音がして扉が開きました。そこには仕事に出かけたはずの旦那が立っていました。
※全4話