(写真:アフロ)
東京五輪の開会式で楽曲制作を担当するミュージシャンの小山田圭吾氏(52)。五輪開幕まで残すところ4日と迫っているが、小山田氏が90年代に音楽雑誌『ロッキング・オン・ジャパン』と『クイック・ジャパン』で語った“いじめ告白”の余波が広がり続けている。
組織委員会は7月14日、東京五輪の制作・演出に関わるクリエイターを発表。その内の一人に小山田氏が名を連ねていたことから、“いじめ告白”の内容がSNS上で拡散。相次ぐ批判を受けて小山田氏は16日に、約1,500文字に及ぶ謝罪文を発表。しかし騒動は収まらず、’94年に小山田氏のインタビューを掲載した「ロッキング・オン・ジャパン」も18日に声明を発表する事態となった。
「小山田氏の起用が発表された直後から、SNSで過去の“いじめ告白”を問題視する声や辞任を求める声が続出しました。小山田さんのインタビュー記事は、障がい者とされる同級生らへの虐待行為を武勇伝かのように語る内容でした。90年代の当時でも、その凄惨な内容に嫌悪感を抱いた音楽ファンは数多くいました。今回の東京大会では、一人ひとりが互いに認め合う『多様性と調和』が基本的コンセプト。小山田さんの行いは、そのような理念に大きく反すると言えるでしょう」(音楽誌ライター)
小山田氏の“いじめ告白”は瞬く間に情報番組でも取り上げられ、議論の対象となった。なかでも東京五輪に携わるのが、「小山田氏でなければならない理由の説明」を求める声も上がった。
18日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演したメイプル超合金のカズレーザー(37)は、「(小山田氏の件について)知りませんでしたではなくて、知っても譲れないんですっていうことを説明しなければいけない」と主張。さらに現段階で「すでに音楽や演出は決まっているはず」とし、「(小山田氏が)辞任しても、別に組織としては成立するはず。辞任させることができないことを、丸川さんとかが説明すればいいだけのこと」と指摘した。
さらに19日には加藤勝信官房長官(65)も、会見で「障害の有無に関わらず、いじめや虐待はあってはならない行為だ。政府として共生社会の実現に向けた取り組みを進めており、こうしたことに照らしても全く許されるものではない」と発言。小山田氏の処遇について適切な対応を組織委にもとめていた。
■“知らぬ存ぜぬ”の丸川五輪相
組織委員会の武藤敏郎事務総長(78)は17日の会見で、小山田氏について「現時点において十分に謝罪をして反省をして、倫理観を持って行動したいと言っている」とフォロー。組織委員会として「引き続き最後まで準備に尽力していだたきたい」と、小山田氏を続投させる意向を示したのだ。
組織委員会が小山田氏を擁護するなか、東京五輪をサポートする立場である丸川珠代五輪相(50)の対応も問題視されている。
小山田氏について報じられ始めた16日、丸川氏は会見で「まだ報道を確認していない」「組織委員会が対応されていると思うので、組織委に確認してください」と“知らぬ存ぜぬ”な対応をしたのだった。組織委員会と連携しているはずの丸川氏だが、小山田氏の件が問題になっていることについて「知らない」で済ませて良いのだろうか。
「開幕が迫っているとはいえ、小山田氏の続投には批判の声が殺到しています。“五輪のサポート役”であるはずの丸川大臣は、完全にスルー状態です。IOCのバッハ会長とコーツ調整委員長の広島・長崎訪問についても、3日前にも関わらず『伺っていない』『橋本聖子会長に確認します』と受け流していました。その一方で、バッハ会長の歓迎会にはしっかり出席しているのです。
丸川大臣は元アナウンサーでもあります。たとえ小山田氏の存在を知らなかったとしても、起用前に調べるなどして組織委員会に助言するといったこともできたのではないでしょうか。きっちり説明しないまま開幕に持ち込んでしまうと、いっそう批判を浴びることになるでしょう」(スポーツ紙記者)
“都合の悪いことは知らんふり”とばかりに組織委員会に押し付ける丸川氏の対応に、五輪相としての存在意義を問う声が広がっている。
《丸川ってなんの為にいる? 知らぬ存ぜぬばかり。辞任して下さい》
《何でもかんでも知らぬ存ぜぬで通るとでも思ってるんでしょうか? この方の勉強不足には辟易します》
《丸川さんは、五輪担当大臣として何なら知ってるのだろう? 承知していない、聞いていない、報告を受けていない(以下略)。 いくら別の地平にいるからって、状況把握しようとせず、責任逃れが過ぎやしませんか》