映画『卒業』では、ダスティン・ホフマン演じるベンジャミンが愛するエレーンの結婚式に割って入り、新婦を奪って逃げるラストシーンが感動を誘ったが、似て非なる事件がザンビアで起きた。地元紙Zambian Observerが伝えている。
ザンビアの国税庁で働くアブラハム・ムユンダが、今まさに生涯の愛を誓おうとしていたその時、女性の声が教会内に響いた。
「神父さま、結婚式を中止してください! そこにいる人は私の夫なんです!」
おんぶ紐で赤ちゃんを背負ったこの女性はムユンダの本物の妻、キャロラインさんだった。
この日、ムユンダは「出張に行く」と言って家をあとにしたが、実は他の女性と結婚式を挙げていたのだ。キャロラインさんは友人から夫が結婚しようとしていると聞き、子どもを連れて急いで式場へと駆けつけたという。
この様子は列席者によって撮影されており、動画がネット上に出回っている。
騒然とする教会内で「私たちは離婚もケンカもしていません、その人は私と結婚しているんです」と訴えるキャロラインさん。事情が飲み込めず、彼女をつまみだそうとする列席者。そして、バツが悪そうにたたずむ新郎新婦。
国連によると、ザンビアの結婚制度には、因習によるものと、現代の制定法に基づくものの2種類があるという。後者は一夫多妻制を認めておらず、妻がいるにも関わらず別の女性と結婚しようとしたムユンダが起訴された場合、7年程度の懲役刑が科される可能性があると英METROは報じている。新婦はムユンダが妻帯者であり、3人の子どもを持つ父親であると知りながら結婚式の費用を支払ったという。