「これが初めてじゃないし。過去に何度も起きてることだから、慣れてるつもりだったんだけど。今回はちょっと思ってたよりもキツかったというか。年なのかな。ビックリしたよ。ここまでひどくなるって……」
メールインタビューで本誌にそう明かすのはGACKT(48)だ。9月8日、彼の所属事務所から電撃発表があった。
「帰国後、体調不良を訴え、容態が急変。持病である神経系疾患がきっかけとなり、一時は生命の危機に。さらに重度の発声障害を併発したため無期限活動休止する」
同日、GACKTはインスタグラムで改めて病状を説明した。彼を知る音楽関係者は言う。
「地中海・キプロス島から8月6日に仕事のため帰国しましたが、数日後に体調が急変。幼少期から患っている神経系疾患をきっかけに一時は命にも関わる状態にまで陥ったとか。体調が悪化した状態が3週間ほど続きましたが、現在容体は安定するも体重が10キロ減ったと打ち明けていました」
幼少期の神経系疾患に関して、GACKTは本誌での連載をまとめた'03年発売の著書『自白』にて当時を振り返り、こう綴っている。
《10歳になったころ、僕は突然倒れてしまった。胃、内臓が激痛により、動けなくなった。 病院に運ばれた後、原因不明だと言われた。まだ発見されていない伝染病かもしれない、と。そして、いきなり隔離された。隔離されて、監禁され、鉄格子の付いた病棟に放り込まれた。子供ばかりだったことから、おそらく小児病棟だったと思う》
■「丸一日意識がなかったとスタッフから聞いたよ」
この持病を抱えて生きてきたというGACKT。現状の発声障害については、前出のインスタではこんな説明をしている。
「10年前からは持病を治すため海外に環境を整え、療養などを行いながらここまで来たんだけど、今回が原因なのか、神経系疾患が関係しているのか、突発性の発声障害のような状態になってます」
活動休止を決めた理由は「医師、エージェント、関係者との話し合いの末、とにかく治すことを最優先させることに決めました」と吐露。休止期間については「正直わかりません」としながら、「とにかく早くに戻って来れるようやれることを全力でやります」
そうファンに誓っていた。GACKTといえば、人気番組『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)個人65連勝中で話題だ。また、役者としては“東京都民に不当に虐げられる埼玉県民”の姿をコミカルに描いた主演映画『翔んで埼玉』('19年公開)の続編製作も決まっていた。
「前作は興行収入37億6千万円の大ヒット。続編の撮影自体は先月下旬から始まっています。実はGACKTさんは9月10日から撮影に参加する予定でしたが、活動休止発表を受け、一時中断を決定。この映画は彼以外のキャストは考えられませんから。復帰に合わせてすぐ再開できるよう、準備を進めています。'22年公開予定は現状変えません」(映画関係者)
GACKTは予定されていた『格付け』や『翔んで埼玉』について率直な思いを本誌に明かす。
「ストレスでやめるとか、そんな無責任なことは絶対にしない。単純に、収録日までに完全に回復できる見込みが今はわからないうえに、すでにあの番組はもうキャスティングにも入っている状況で、今の状況ではとてもじゃないけど、声を出す仕事はできないし、治療に専念するということにしました。『翔んで埼玉』チームが僕を必要としてくれるなら、僕もその気持ちに全力で応えたい」
一時は生死の境を彷徨ったというGACKT。当時の記憶をこう振り返る。
「正直、死にかけたときのことは覚えていない。あとで丸一日意識がなかったとスタッフに聞いたよ。病院には入ってない。医師に来てもらってた。ただ、目が覚めたときは『まだ生きてた……』とは思ったよ。まあ、それはいつも起きるときにも思うことなんだけど」
■体重は3キロ戻った「僕は死ぬまでGACKTだよ」
自らの現在の体調に関しては、こう答えてくれた。
「まだフラフラはしている。うまく話せないってことがいちばんのストレスだけど。時間をかけて治すしかないし。声が出せるとき、出せないとき、言葉が詰まるとき、音量、声質、すべてにおいて不安定で安定していないのが今の状況で、正直、うまく話せない自分にイライラすることはあるけれども、焦らずにゆっくり声を出す練習をしている。焦ってもいい結果が出ないし。とにかく、やるしかないから。
幸い今回、脳にはダメージが見つからなかったって言われたから安心しているけど。でもまあ、わからないよね。実際のところ、どこまで本当のことなのか…。
近年、結構調子がよかったからだいぶマシになったのかなと思ってたけど、やっぱりまだまだ治すには時間がかかるみたい。まあ、仕方がないよ、こればっかりは。自分の体だし。でも、生きているだけでラッキーだと思っている」
体重は3キロ戻ったという。
「前の状態まではあと7キロ。筋肉をつけないといけない。これも焦らずゆっくり少しずつ負荷を増やしてトレーニングをしている。時間はかかると思うけど、絶対に以前よりもよくなれると信じてる。
きっとまだやることがあるんだって思っているから、気持ち的にはめちゃくちゃ前向きだよ。やるしかないし。それを見せられなくなったらGACKTじゃなくなる」
現在は国内の自宅で療養中。今後は主治医のいる海外で治療に専念する予定だという。 最後に本誌にこんなメッセージを寄せてくれた。
「まあ、問題はいろいろあるけど、今の僕は伸びしろしかないよ。それが僕ができる、ファンに対しての応え方だと思うし。落ち込んでなんかいられない。応援して信じてくれるファンのためにも、やるしかないんだよ。
そんなもんじゃないの? ステージに立つ人の意味って。きっと何かの理由で選ばれたのだとしたら、これもその一つだと思うし。死ぬまでGACKTだよ」
十分な静養を経て、この“GACKT節”がまた聞けるよう、活動再開の日を心待ちにしたい。