3月、都内ではワクチン集団接種訓練も実施していた(写真:時事通信)
「厚生労働省によると、ワクチン接種期間は来年の2月末までを予定しています。最初は、医療従事者から接種を開始。そこから高齢者や基礎疾患を有する方など、リスクの高い人へと優先的に打っていく見込みです。
実際、4月から高齢者へのワクチン接種がスタートしました。しかし現状では数が限られているため、申し込みについては“早い者勝ち”になってしまっているのが実情です」(行政関係者)
4月12日から始まった、65歳以上の高齢者に向けた新型コロナウイルスのワクチン接種。しかし、多くの自治体で予約申し込みが殺到しているという。
「ワクチン接種には、まず各自治体から届けられる『接種券』というものが必要になります。これを受け取った後、電話やインターネットなどで予約。接種会場で予診票への記入や医師からの問診があり、安全確認をしてからようやくワクチン接種という流れになっています。しかしこのうち、ほとんどの人が “予約”の段階でつまずいてしまっているのです。
たとえば東京都八王子市では市内に住む高齢者の約1%分しかワクチンが供給されなかったため、受付け開始直後から電話がつながりにくい状態となりました。ネットでの予約も、わずか20分で終了。問い合わせのため、市役所の窓口まで訪れる市民が後を絶たなかったといいます。また程度の差こそありますが、多くの自治体が似たような混乱状態に陥っていたそうです」(前出・行政関係者)
激しい“争奪戦”になっているワクチン接種。プラチナチケットを入手するような困難さだが、いったいどうすれば受けられるのか。
成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんは、予約枠を取るための“5つの工夫”を語る。これらは一般的に、チケットなどを予約するためのテクニックとして使われているという。
■「最初の1回目でつながるかどうかが勝負」
「まずは、【電話回線の違いを利用すること】です。スマホと自宅の固定電話では使用している回線が違うので、混み合っているのは片方だけという場合があります。だからスマホと固定電話を併用し、ご家族にも協力してもらいながらいっしょに電話したほうがよいと思います。
また、【ネットで予約すること】も視野に入れておきたいポイントです。高齢者にはネットに不慣れな方もまだまだ多いので、電話よりは混み合わない可能性もありますからね。事前にお子さんやお孫さんなどに準備をお願いして、予約画面まで操作してもらっておきましょう。
そして、【電話をするタイミング】も重要です。自治体の電話回線は受付け開始直後からフル稼働し、予約枠はすぐに埋まってしまうはず。つまり、最初の1回目でつながるかどうかが勝負になってきます。だからそこに滑り込めるよう、開始時間の数秒前に電話をかけるようにしましょう。ただし早すぎるとかからないので、タイミングが重要です」
また、高橋さんは“電話の発信タイミングを操作する工夫”も伝授してくれた。
「あまり知られていませんが、【電話番号の末尾に#をつけると、電話機が間を置かずにすぐ発信してくれる】という機能があります。通常は入力された番号をほんの少し待っているのですが、#を押すと“この番号でOK”と認識してくれるのです。要するに、発信のスタートボタンみたいな役目をしてくれるということですね。1秒を争う状況なので、知っておくと便利かもしれません。
あとは、【スマホのリダイヤル機能を使うこと】。意外と使い方がわからなかったりするので、ご家族に教えてもらっておくとよいでしょう。もしくは事前に番号を登録しておくのもおすすめです」
「女性自身」2021年4月27日号 掲載