東京都内にある高級マンションから現れたのは草なぎ剛(46)と、初老の男性だった。男性は素朴な風貌で、Tシャツを肩のあたりまでまくり上げている。
草なぎは自宅マンションから男性を見送るために出てきたようだ。タクシーに乗り込んだ男性に、笑顔で別れの挨拶をする姿は、優しさと親しみにあふれていた。
本誌が2人を目撃したのは7月9日、草なぎの46歳の誕生日の夜。また昨年逝去した“芸能界の育ての親”ジャニー喜多川さん(享年87)の命日にもあたる。おそらく草なぎにとっては、もろもろ感慨深い1日だったに違いない。
そんな夜に自宅マンションに招き、2人きりで数時間語り合った男性は、いったい何者だったのだろうか?
だが取材を始めたものの、家族や親族、さらに交流のある芸能関係者にも該当者は見当たらない……。本誌がその答えにたどり着くまでには、しばしの時間が必要だった。
「この男性なら、職人のAさんではないでしょうか?」
本誌の撮影した写真を見て、そう語ったのは草なぎと長年仕事をしているテレビ局関係者だった。A氏が経営するのは、知る人ぞ知る名店で、“一見さんお断り”だが、多くの著名人も通っているという。
「ぶっきらぼうですが、人情味もある“名物大将”で、味だけではなく、Aさんの人柄を慕うファンも多いのです。タモリさん(75)もそのなかの一人ですから、草なぎさんもお店に連れていってもらったのではないでしょうか」(前出・テレビ局関係者)
タモリと草なぎは『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で共演して以来、交流を続けており、草なぎは『ブラタモリ』(NHK総合)のナレーションも務めている。なるほど、尊敬するタモリがつないでくれた“友達の輪”とすれば合点もゆく。
さらに別の草なぎの古くからの知人は、次のように語った。
「草なぎさんとAさんは、タモリさんが所有するヨット上で開催されたイベントで知り合ったと聞いています。すでに交流は20年以上に及ぶそうです。Aさんは60代後半ですから、20歳も年が離れていますが、2人は親友のようです。
Aさんは職人かたぎで寡黙ですが、聞き上手。また草なぎさんが有名タレントだからといって特別扱いもしないのです。それが草なぎさんにとって心地よいのでしょうし、芸能界とは関係のない人ですから、プライベートな悩みなども話しやすいのかもしれません」
実は草なぎは、いま肉親のことで悩みを抱えているのだ。彼は埼玉県で生まれ育ち、両親は地元で居酒屋を経営している。頻繁に帰省しているわけではないが、両親との関係は良好なようだ。昨年、彼は雑誌のインタビューで両親について、しみじみと語っている。
《(帰省しても)別に何を話すってわけじゃないけど、やっぱり『健康のこととかもちゃんとしなよ』とか言うと、向こうも『ちゃんとしなよ』って言ってきたり。あとは何話しているかわかんないね。酔っ払っちゃって(笑)。行くとだいたい泊っていくから》(『JUNON』'19年6月号)
草なぎが帰省ごとに健康を気遣っていた実父が体調を崩したのは、今年3月ごろだったという。地元の草なぎ家と交流のある男性は、こう語る。
「以前は、草なぎさんのご両親と弟さんがお店に出ていたのですが、お父さんが突然お店を休むようになったのです。体調が優れないそうで、いまは療養中です。その療養期間もすでに半年ほどになります。お店もお母さんと弟さんの2人で切り盛りしなければなりませんし、お父さんの看病もあるでしょうから、ご家族も大変でしょうね……」
そこで草なぎの実母(69)にインターホン越しに夫の体調について聞いた。
――ご主人が体調を崩されたと伺いましたが?
「そうなんです。皆さんにもご心配をおかけしています。でもおかげさまで体調は快方へと向かっていますので……」
――草なぎさんもご心配されているでしょうね。
「こんな時期ですからなかなか実家に帰ってこられませんが、心配してくれていますし、電話もかけてきてくれています。夫だけではなく、私にも体調をいたわる言葉をかけてくれるんです」
実父は9月に69歳の誕生日を迎えた。草なぎの親友・A氏とは同年代、さらに飲食店を経営しているという共通点もある。草なぎにとっても“相談相手”として、ぴったりに思えたに違いない。
続いて本誌はA氏にも取材を申しこんだのだが、彼は、「お客さんのことですからね。お話しできることは、何もありません!」、そう答えるだけだった。
だが、前出の草なぎの古くからの知人は言う。
「Aさんは草なぎさんのご両親とも面識があって、いっしょに食事をすることもあるそうです」
故郷の実父が回復し、A氏も交えてのお祝いの食事会が開ける日を、草なぎも待ち望んでいるに違いない。
「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載