明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本画家「神坂雪佳(かみさかせっか)」。江戸時代に芸術分野における一大流派であった光琳派(琳派)の画風を学び、花鳥画をはじめとする多くの作品を残しました。
雪佳は図案家としても大いに活躍し、以前Japaaanでも紹介した明治時代の図案集「美術海」には雪佳も携わっています。
今回紹介するのは、雪佳の画家としての豊かな創造力、そして図案家としてのデザインセンスの高さを遺憾なく発揮した代表作「蝶千種」です。
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-947/item-1428237/1799bfea5bfa2865649caa2c0c11245c445894d5.jpeg)
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蝶千種は明治37年刊行の2冊からなる多色刷り木版画の作品集で、様々なデザインの蝶が50図も収められているんです。美しい文様の蝶からシンプルな線で描かれた蝶など、描き方の幅がとても広く、その引き出しの多さにはただただ驚かされるばかり。
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作品ごとに蝶の群れ方にも違いがあって、デザイナーとしてのセンスも光る素晴らしい作品に仕上がっています。一人の作家がこれほど多彩なタッチで描くには、相当な創造力とセンスがないと難しいのではないでしょうか。
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先日紹介した平瀬與一郎による「貝殻断面図案」にも言えることかと思いますが、ひとつのモチーフから様々な図案を生み出す能力は、類稀な観察力による賜物と言っても良いのではないでしょうか。
→溢れる貝愛!大正時代、財力体力すべてを貝に捧げた男・平瀬與一郎が刊行した文様集「貝殻断面図案」
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-947/item-1428237/27c917e1970316c32e676e701083f5234acdfe59.jpeg)