ケニアのおぞましい殺人犯が、群衆に取り囲まれ、暴行されて殺された。男は、10人以上の子供を殺害し、その血をすすっていたことから「ナイロビの吸血鬼」として恐れられていた。
10月15日、ケニア西部にあるブンゴマ警察は、殺人容疑で起訴されていたマスティン・ワンジャーラ容疑者(20)が死亡したと発表した。
ワンジャーラ容疑者は今年の7月、12歳と13歳の子供2人を殺害した容疑で逮捕されていた。その後、5年間で少なくとも13人の子供を誘拐し、殺していたことが明らかになる。遺体は川の茂みや下水道に遺棄されており、逮捕後、何人かの遺体が発見されている。
容疑者は、サッカー教室のコーチのふりをして子供たちに近づき、「白い粉」や「白い液体」を使って意識を失わせてから犯行に及んだ。子供を人質に身代金を要求することもあったという。
最初の殺人は16歳のときだった。当時12歳の少女を誘拐し、静脈から血を吸うという残忍な方法で殺害した。その後も、子供たちの血をすすっていたことが明らかになり、現地ラジオ局は、ネットニュースで「ナイロビの吸血鬼」という見出しで大きく報道した。
容疑者が脱獄したのは、判決を直前に控えた10月12日の夜とみられる。翌朝の点検時にはすでにその姿はなかった。
留置されていた監房は、看守デスクの真後ろだ。窓が破壊された形跡もなく、施錠も外側しかできないタイプだったことから、看守の手助けがあったと思われる。だが、当時勤務していた3人の看守は、いずれも否認しているという。
脱獄に成功したワンジャーラ容疑者だが、15日の朝、実家がある村で遺体となって発見された。近隣住民に見つかり、大騒ぎになったことで逃げ出したが、群衆に囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けた末に死亡したという。
逮捕当時、警察は「まったく反省が見られず、子供を殺害する満足感にひたっている」と語っていたが、「ナイロビの吸血鬼」の最期は、まさに血塗られたものとなった。
写真:現地警察提供
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