タックル事件で「夫は心を病んでしまった」日大・田中体制のナンバー2内田元監督の妻が語る"冤罪"苦悩
“日大のドン”と呼ぼれた前理事長・田中英寿被告は、取引業者からリベートなどを受け取り、合計約1億1800万円の所得を隠し、約5300万円の所得税を免れた脱税の疑いで逮捕、起訴されている。
「『悪質タックル事件』とは、2018年にアメリカンフットボールの日大と関西学院大の定期戦で、日大の宮川泰介選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷させた事件です。宮川選手は当時の内田正人・元監督や井上奨・元コーチから指示を受けていたと発表。その後、日大理事会は、第三者委員会の報告を受けて、内田元監督や井上元コーチの責任を認め懲戒解雇したのです」(社会部記者)
「内田元監督は不起訴処分をうけて、日大を相手取り、解雇無効などを求めた民事訴訟を起こしました。結果的に日大側も懲戒解雇を撤回し、非を認めたのです。一方、井上元コーチは、日大歯学部の職員として復帰しています。このタックル騒動の間、田中被告はトップとして会見を開くことは1度もありませんでした。内田元監督のことも守ろうとしませんでした。いわば、内田元監督は田中被告に“見捨てられた”ということです」(同前)
「主人が不起訴処分になったとき、弁護士を通してメッセージを流したんですよ。でもどこもそれを大きく取り上げてくれませんでした。マスコミが自分達の誤りを認めなかったのが非常に残念です。うちは地位も名誉もなにもかも失ったんです。何も悪くないのに。うちは学生を守ったんですよ。私は悲しくて悔しくて仕方ないです」
「主人が大学から懲戒免職されるほど過剰な報道をしたのは、メディアですよ。私は主人に『裁判してちょうだい』って言いました。でも主人は『もういい』って。学生を守りました。宮川は嘘をついていましたけど、主人はそれでも宮川を守ったんです。(監督の指示があったというのは)全面的な嘘だったんですよね。それは証明されましたよ。全部嘘でした。宮川だけじゃなくて、周りの学生が嘘をついたことも、科学的な捜査で警察がすべて明らかにしたんですよ」(内田元監督の妻)
「結局は、田中先生を引っ張りだしたかったワケですよね、あの時。うちは、それに利用されたただの被害者です。主人は大学の理事まで出世したのに…。それが全部失われた。未だに私は悔しいですよ。(田中被告に思うことは)何もありません」
「内田元監督は、間違いなく“田中体制”の要のひとりでした。そこまで引き立ててくれた田中被告に対しては、恩義もあるでしょう。しかし、田中被告は内田元監督を守らなかった。田中被告が当時、正面からタックル事件に向き合い、会見をしたうえで第三者委員会へ粘り強い調査を指示していれば、別の結果もあったのではないでしょうか」(前出・社会部記者)
「主人は静かに暮らしてます。心も病んでいまして、家族が助けています。とにかく、メディアがひどすぎたんです。もう日大とは何の関係もありません」(内田元監督の妻)