早くもシーズン2の噂が各方面から飛び交っているが、本当に実現するのだろうか?
今夜最終回を迎える戸田恵梨香・永野芽郁のダブル主演作『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)のことである。
戸田演じる刑事課 元エースの先輩・藤聖子と、永野演じるひよっこ新米警察官の後輩・川合麻依によるコメディ色の強い警察バディもの。
先週放送の第8話までの世帯平均視聴率は第1話11.3%、第2話11.7%、第3話10.8%、第4話8.9%、特別編<1>6.4%、特別編<2>8.8%、第5話12.5%、第6話11.1%、第7話11.8%、第8話11.6%という結果。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)
東京五輪開催中の放送回や、永野の新型コロナウイルス感染により急遽挿し込まれた特別編を除いては、堅調に二桁視聴率を稼いでいる優秀作。
なにより、視聴しているファンたちの満足度が高く、今期のなかで1、2を争う人気ドラマとなっているため、ファンたちから続編を望む声があがるのも当然だろう。
おそらく放送している日テレだって、できれば続編を作りたいに違いない。
■最終回前にモヤモヤをスッキリ解消させたのが “らしさ”
今夜放送の最終回は、第1話からの物語の縦軸となっている、藤がわざわざ刑事課から交番勤務に異動してまで追いかけていた事件の解決までが描かれる見通し。
3年前、藤の同期で親友だった女性警察官がひき逃げされるが、現在も未解決。犯人の可能性がある不気味な中年男性・通称 “守護天使” は、交番勤務の新任女性警察官を変質的に凝視していたという。
犯人を捕まえたい藤は、同期の親友と容姿が似ている川合目当てで、また守護天使が現れるのでは……と考え、交番に異動してきたのだ。
藤が真犯人逮捕のために、自分をおとりとして利用したのではないかとショックを受けた川合だったが、先週放送の第8話で、無事にわだかまりが解け、真犯人逮捕に向けて一丸となっていく様子が描かれた。
川合と藤の心のすれ違いを残したまま最終回に突入し、フィナーレで2人の絆が復活するという演出もできただろう。
だが、最終回1話前でそういったモヤモヤをスッキリ解消し、視聴者が気持ちよく最終回を迎えられる展開は、明るく楽しいテイストで人気を博した『ハコヅメ』らしいなと感じた。
現実が鬱々とした今のご時世には、これが “正解” なのだろう。
■戸田と永野にとって朝ドラに並ぶ代表作となる可能性も
さて、本題のシーズン2があるかどうかだが、筆者は個人的にはほぼ確定していると予想している。
まず、このドラマは人気マンガ『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』が原作なのだが、現在も『モーニング』(講談社)で連載中であり、コミックスは18巻も刊行されている。
要するに、ドラマ化されていないエピソードのストックはまだまだ豊富。また、ドラマには未登場の原作キャラもいるため、ドラマでシーズン2を制作する場合、人気の役者を新キャストとして投入すれば、マンネリ回避や話題性の仕込みもしやすいはずだ。
逆に、続編制作への一番のハードルとなりそうなのは、戸田や永野をはじめとする売れっ子キャストのスケジュールを確保できるかという問題。
人気の役者は数年先までスケジュールが埋まっていることも珍しくないため、戸田と永野のスケジュールを合わせるだけでも一苦労だろう。
しかも脇を固めるムロツヨシ、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬らも、味のある演技でクセの強いキャラを好演しており、本作に欠かせないキャストとなっている。彼らのスケジュールを3カ月も確保するのは、なかなかの難易度かもしれない。
とは言え、それでもシーズン2は濃厚だろうと読むのは、主演の戸田と永野にとって続編制作はメリットが多いように思えるからだ。
戸田は2019年度後期の連続テレビ小説『スカーレット』(NHK)の主演女優、永野は2018年度前期の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)の主演女優。
2人には朝ドラという看板作品があるが、女優としてもう一段階上のステージにいくためには、朝ドラに匹敵する主演作品がほしいところだろう。
戸田の主演作を振り返ると、松田翔太とダブル主演した『LIAR GAME』シリーズ(2007年~/フジテレビ系)や、加瀬亮とダブル主演した『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』シリーズ(2010年~/TBS系)というヒット作がある。
しかし10年以上前に始まったシリーズのため、そろそろ次のヒット作がほしいはず。
永野の場合は、『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(2019年/日本テレビ系)や『親バカ青春白書』(2020年/日本テレビ系)といった人気作で、ヒロインは演じているが主役ではなかったし、朝ドラに匹敵する主演作はまだない状態。
そんな2人にとって好評の『ハコヅメ』でシーズン2が制作され、シーズン1を凌駕する人気を博せば、朝ドラに並ぶ看板主演作になる可能性が高い。
そもそも朝ドラは枠自体のネームバリューがあるため、主演に抜擢された時点で代表作になることがほぼ確定している。
一方、今回の『ハコヅメ』のような作品は視聴率やファン評価などの結果を出さないと、代表作にはならないわけだ。
そういった背景から、戸田にも永野にも、『ハコヅメ』は自分たちの力で代表作に “育て上げたい” という自負が強いのではないだろうか。
そのためシーズン2の話が舞い込んできたら、スケジュールがキツキツであっても何とか実現に向けて調整する可能性が高いように思うのだ。
――主演2人にとって価値のある作品『ハコヅメ』。今夜放送されるのが “シーズン1最終回” であることを願っているファンは多いことだろう。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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