10月23日(日本時間)、プロゴルファー・石川遼(30)の姿はアメリカにあった。来季の米下部ツアーの出場権獲得を目指して渡米していたのだ。2次予選会に出場するも5打及ばず、最終ステージ進出前に敗退した。
その直後には「いつ帰国するかもわからない」と話していた石川。しかし、その数日後、思いがけない場所に彼はいたのだーー。
「つい先日まで、アメリカで試合に出ていた石川選手が千葉にいたので驚きました。10月27日のことです。帰国したのは早くても24日のはずですよね。帰国後は14日間の自主隔離期間があるのに、その彼が一般人もプレーするゴルフコースに出て、仲間とラウンドをしていたので驚きました」
そう話すのは、千葉県内のゴルフ場に居合わせた利用客だ。
「石川選手は、利用者用の駐車場の中を通り、ロッジに堂々と入っていきました。彼がロッジに入った数分後には、一般客が同じ場所を通っていきましたよ。ロッジ周辺は管理人や掃除スタッフなども行き来する、人目につきやすい場所です」(同前)
いったい彼はどんな「隔離生活」を送っているのか。ゴルフ場関係者が、石川の様子をこう明かした。
「彼は、田中剛コーチやゴルフ場のスタッフなど、多いときは合わせて3〜4名で一緒に過ごしています。基本的に、午前中は練習場の一角でショット練習に励み、昼食後はコースへ出ています。さらに夜になると、彼らは毎晩のように飲み会をしていたのです」
石川が滞在しているこの千葉県内のゴルフコースは、メジャー大会も開催されたことがある県内屈指の名門クラブだ。豪華なクラブハウスを備え、食事にも定評がある。石川は現在、ジャパンゴルフツアー選手会と日本ゴルフツアー機構(JGTO)で副会長の重責を担っている。
日本ゴルフツアーの統括団体であるJGTOは、コロナ禍で感染症対策の規程を昨年から5回改訂するなど精力的なコロナ対策を講じてきた。石川は、その規程改訂を主導する立場だったにもかかわらず、待機期間を無視して練習をおこなっていたのだ。
それにしても、周知のとおり現在の石川は特徴的な “ロン毛” スタイル。ファンには一発で気づかれそうだが……。
「彼が練習から戻って夕食を取るころには、クラブハウスに一般客はいません。さらに、彼が食事をしていた応接室は、中の様子が見えません。うまく身を隠しながら一般客との接触を避けたつもりなのかもしれません」(同前)
現在、日本国内の新型コロナ感染状況は落ち着きを見せ、一時は5000人を超えた東京都の感染者数も二桁台にとどまっている。しかし、「これくらいなら許されるだろう」と考えているなら、認識が甘すぎると言わざるを得ない。
「石川選手は今年6月、東京五輪の強化選手としてアメリカから帰国後、特例で隔離期間を免除されたことがありました。そのせいか気が緩んでいたのではないでしょうか。
隔離期間中に一般人も利用するクラブハウスを利用するなんて、客やスタッフと接触することを考えれば、非常にリスキーな行為です」(同前)
新型コロナ対策としての帰国者自主隔離期間について厚生労働省の担当者はこう話す。
「海外から帰国後には、通常14日間の待機期間を設けています。待機期間中に、帰国者でない一般の方々と接触する可能性がある場所を利用することは、当然違反行為です」
さらに、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師も、彼の行為をこう指摘する。
「石川選手のゴルフ場滞在は、待機期間のルールを無視した違反行為です。アメリカではワクチンを2回接種した人への規制は緩いため、彼も安易に考えてしまったのでしょう」
こうした石川の帰国後の行動について、石川の所属事務所とマネジメント会社にそれぞれ事実確認をおこなったところ、「担当者から連絡させる」と言ったきり、期日までに回答はなかった。
石川は今月11日から始まる「三井住友VISA太平洋マスターズ」への出場が発表されている。フェアプレーを重んじる紳士のスポーツ・ゴルフの、日本を代表するスター選手がこのまま何もなかったようにツアーに出場し続ければ、ファンの大きな失望を招くはずだ。
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