「料理は科学」と言われる。東京慈恵会医科大学附属病院の栄養部が監修した『その料理、つくり方間違ってます。 おいしさを逃さない「うま味」方程式』(講談社)は、「おいしい」と「まずい」の分かれ道を科学的な視点で解説し、多くの人が「おいしい」と思える調理法や食材の組み合わせを紹介している。
画像は、『その料理、つくり方間違ってます。 おいしさを逃さない「うま味」方程式』(講談社)
科学的根拠をもとにした料理がおいしくなるコツは、食材の切り方や水にさらす方法、熱の入れ方、調味料の加え方、食材の相性など。
たとえば、調味料を入れる順番「さしすせそ」は科学的にも理にかなっているそうだ。「さ」の砂糖は「し」の塩の分子よりも大きいため、先に塩を入れると食材のすき間を塩の分子が埋め尽くしてしまう。そのため、塩辛くなりやすく、味の修正もしにくいのだとか。
また、そばやうどん、パスタなどの乾麺を、打ち立ての生めんのようにもっちり食感にするワザも紹介されている。たとえば日本そばなら、ゆでる前に麺が隠れるくらいの水に10分ほどつけておく。すると、ゆで時間が表示時間の半分ほどで済むというから、暑くて火の前に立つのがつらい夏には一石二鳥だ。
記者がつくった「究極の卵かけごはん」
画像は、記者がつくった「究極の卵かけごはん」(撮影:BOOKウォッチ編集部)
本書の中で紹介されていた「究極の卵かけごはん」を記者がつくってみた。ある調査機関が行った味覚センサーでの実験によると、黄身を後で混ぜると最もおいしいという結果が出たのだそう。
画像は、最後に黄身を混ぜていただく「究極の卵かけごはん」。ふわっふわの食感(撮影:BOOKウォッチ編集部)
温かいごはんにまず昆布つゆや白しょうゆを合わせた「たれ」をつくる。そのあとに白身だけを入れてふわふわに泡立つまで混ぜる。最後に黄身をのせてさらに混ぜながらいただく。記者はいままで、全卵をごはんの上に割ってしょうゆをかけて混ぜていたのだが、この卵かけごはんは別物。食感がふわふわで、卵の味が際立つ。ふんわりとだしの香りもして上品だ。のど越しが良く、食欲が落ちた夏にもよさそう。
ほかにも、ごはんを氷で炊く方法や、炭酸水でつくる豚しゃぶ、野菜の栄養を逃さない下ごしらえなど、すぐに使えるワザがならび、実験のように楽しみながらおいしさを科学できる。
(BOOKウォッチ編集部)
書名: その料理、つくり方間違ってます。 おいしさを逃さない「うま味」方程式
監修・編集・著者名: 監修:東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部
出版社名: 講談社
出版年月日: 2020年6月11日
定価: 本体1,400円+税
判型・ページ数: A5・128ページ
ISBN: 9784065195710
備考: 電子版あり
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