偉大な先輩の教えを胸に、再びレギュラー争いに名乗りを上げる。横浜DeNAの倉本寿彦内野手(30)が、今秋コーチに就任した横浜高出身の鈴木尚典氏(49)から打撃のアドバイスをもらっている。「先輩として、コーチとして、どんな気持ちや考えでプレーしていたか、一から教わりたい」。どん底を味わった背番号5は、このまま終わるつもりはない。
秋季トレーニング第2クール2日目の10日。横須賀スタジアムでロングティー打撃に励む倉本の傍らには、優しく見守る鈴木コーチがいた。
「尚典さんが来た時に『おう後輩』と言われて僕的には接しやすかった。一歩踏み込んで指導をしていただけたら」と倉本。幼少の頃に胸を熱くした1998年の日本一メンバーの指導で、構えるときにグリップの位置を下げる新フォームにも取り組んでいるという。
今季はプロ7年目で2番目に少ない46試合の出場にとどまった。5月9日の阪神戦(横浜)で一塁にヘッドスライディングした際に、左手薬指の関節脱臼と剝離骨折を負って戦線離脱。チームの流れを変えようとしたプレーに後悔はないが、「これからドンドン上がっていくところでけがをした。すごくふがいないし、不完全燃焼。ちょっとつまずいた」。打率2割8厘、6打点と持ち味の勝負強さも影を潜めた。
10月は若手に交じってフェニックスリーグに参加し、コーチ陣との対話を重ねた。「もう一回レギュラーを取るために、しっかり打つ、守る、走ることを意識しながらやっていきたい」。2017年に全試合出場を果たした男は、はい上がるきっかけをつかもうと懸命だ。
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