◆横浜DeNA5-2広島
秋の空は高く、マウンドで感じる風はやっぱり心地よい。6試合ぶりに登板した横浜DeNAの新クローザー三嶋=資料写真=が最終回を締め、節目の10セーブ目をつかんだ。
「中継ぎと同じ気持ちで投げた積み重ね。俺も投げたい、早くチームの勝利に貢献したいと思っていた」。特別な感情を抱くことはなかった。
5-2の九回、いきなり先頭の松山に二塁打を許しても慌てない。直後の堂林をフォークボールで空振り三振に仕留め、最後は菊池涼をこの日最速となる150キロで再びバットに空を切らせた。抜群の安定感を誇る30歳に、ラミレス監督も称賛を惜しまない。「グッドでは足りない、グレートだ。クローザーにふさわしい球種を持ち、マウンド上でパニックになることもない。この順位にいるのは彼の功績だ」
昨シーズン71試合に登板したプロ8年目右腕は、今季のテーマに「一喜一憂しないこと」を掲げる。昨季は2試合続けて打たれる傾向があり、「今年は抑えても何で抑えられたかを投球内容や配球、準備まで細かく振り返っている」。2年連続セーブ王に輝いた守護神山崎の不振で7月29日から抑えに回っても、このルーティンは崩さない。ここまでの34試合で一度も2戦連続失点はない。
シーズンは終盤となり、消化試合の意味合いも濃くなる。それでも、新たなポジションを確立した背番号17は言った。
「何で僕が九回を任されているかの意味をしっかり表現したい。今まで通りどんどん攻めたい」。仲間やファンに、飽くなき勝利への執念を届ける。
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