横浜DeNAの春季キャンプ第2クール第2日は7日、沖縄県宜野湾市のアトムホームスタジアム宜野湾で今キャンプ初の紅白戦(1軍対2軍)を行い、4─4で引き分けた。1軍ではドラフト2位の牧が二回に左翼へ特大の一発を放ち、長打力をアピールした。
2軍では知野、山下に本塁打が飛び出すなど9安打のうち6本が長打と打線が活発だった。1安打の森は両軍で唯一盗塁に成功した。
1軍を率いた三浦監督は「関根、宮本は積極的にプレーしていた」と外野手の定位置を争う若手2人の活躍をたたえた。
光った積極性
「ミスしてもいい。積極的にプレーしてこい」。試合前、三浦監督がナインに伝えた助言を、新人の牧が体現した。
二回無死走者なしで迎えたプロ初打席の相手は、昨季4勝の2年目坂本だった。初球の134キロをフルスイングで空振りすると、2球で追い込まれた。
「三振でもいい。自分らしい力強いスイングを忘れずに」。4球目、やや甘く入った直球を振り抜くと「完璧だった」。痛烈な打球は左翼フェンス奥の防球ネットに当たった。「高いレベルでできる試合を楽しみにしていた」という22歳は、長所の打撃でいきなり周囲の度肝を抜いた。
他球団のスコアラーも警戒を強める。巨人の中里スコアラーが「横浜スタジアムなので、それなりに本数は稼げる。村田修一くらいになれる能力がある」とかつての2年連続本塁打王を引き合いに出せば、中日の前田スコアラーも「雰囲気がある。守備も落ち着いている。(阪神の)大山みたいになったら怖い」。
大学日本代表の4番は的確な判断能力でもアピールに成功した。
四球で出塁した四回、次打者の柴田が放った打球が浅い右邪飛になると一塁ベースを蹴り、178センチ、97キロの巨体を揺らしながら二塁に滑り込んだ。好走塁を喜んだのは三浦監督だ。「打つだけが魅力じゃないと分かったのは収穫。練習では疲れているように見えたけど、実戦派かな。非常に楽しみ」と二塁のレギュラーを争う新戦力に目を細めた。
沖縄に来て1週間。「球場で食べる沖縄そばが好き」というルーキーは臆することなく、佐野ら先輩を質問攻めにしている。「打っても守れなかったら1軍では活躍できない。守備力も上げていく」。ロマンあふれる長距離砲が、サバイバルレースを一段と熱くしている。
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