ベイスターズの未来を背負う覚悟だ。プロ野球の横浜DeNAにドラフト1位で入団したルーキー小園健太投手=市和歌山高=が、現役時代に三浦監督が付けていた栄光の背番号「18」を受け継いだ。「ゆくゆくはチームを背負って立つ投手になりたい」。プロ通算172勝を挙げた指揮官の熱き思いを受け止め、日の丸の付いたユニホームをまとう大きな夢も描く。
チームは2021年、6シーズンぶりの最下位に終わったが、同年10月のドラフト会議で三浦監督が希望の光をつかみ取った。阪神との競合の末に、高校ナンバーワン投手の呼び声高い小園の交渉権を獲得した。
新たな世界に飛び込む心境を問われ、18歳の右腕は書道10段の腕前で「謙虚」と披露し新春の誓いを立てた。「皆さんから愛される選手にならないといけないので、謙虚な気持ちを忘れずにやっていきたい」。球団の低迷期でも横浜一筋を貫き、ファンから「ハマの番長」と愛された指揮官のように、チームを照らす存在となる。未来のエース候補がプロ1年目への思いを明かした。
─いよいよ新たな舞台に立つ。
「本当にプロ野球選手になったんだなという思いが強い」
─例年の正月はどう過ごしていたか。
「ごろごろ寝ていました、お正月は(笑)。テレビで箱根駅伝を見ていましたね」
─お年玉で買い物は。
「毎回貯金をしていたので、物はあまり買っていないですね。単に物欲がないので買うものがなかった」
─書道十段の腕前ならば、書き初めをしていたのでは。
「習字を教わっていた小学校の時はよくやっていたけど、最近はしていないですね」
─今回は「謙虚」という2文字を力強く書いた。
「高校に入学してから監督の半田(真一)先生に言われた言葉。これから人に見られる職業になるので『謙虚な気持ちを持ちなさい』と。謙虚な姿勢を見せることで周りから必要とされる、愛される選手になれるんじゃないかなと思っている」
─理想の投手像は。
「チームの皆さんから頼りにしてもらえる投手。結果を残すことが一番大事だし、ここぞという場面で抑えて安心感を与えることも必要」
─エースという言葉のイメージは。
「チームで一番頼りにされている投手のこと。ゆくゆくはベイスターズを背負って立つような投手になりたいし、みんなからそう思われたい」
─1年目のシーズン、ファンにアピールしたいところは。
「全力でプレーすることが持ち味。走者を背負ってからの粘り強さや、どんな球種でもストライクを取れるところを見てほしい」
─阪神1位の森木大智やソフトバンク1位の風間球打と並んで「高校BIG3」と呼ばれた。
「同年代ということもあって比較されるとは思う。負けないようにしっかりと結果を残したい」
─高校のチームメートだった松川もロッテ1位でプロ入りした。
「中学から長いことバッテリーを組んできて、2人で支え合ってきたからこそ成長できた。虎生(松川)の存在は大きかった」
─侍ジャパンに選ばれれば、また一緒にプレーできる。
「日本代表は自分も目指しているところ。2人でいつか日の丸を背負ってバッテリーを組めたらなという思いは持っている」
こぞの・けんた 市和歌山高。最速152キロの直球に加え、スライダーやカットボールなど精度の高い変化球を操る。3年春の選抜大会では1回戦の県岐阜商戦で完封勝利を挙げ、「高校BIG3」と呼ばれた。投手。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。18歳。
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