レギュラー奪取へ、横浜DeNAの4年目、楠本泰史外野手(26)が猛アピールを続けている。中断期間中のエキシビションマッチでは20打数9安打3打点をマーク。主将佐野、今季復活した桑原、東京五輪で活躍したオースティンが並ぶ外野陣は不動だが、「(3人に)何かがあったとき、最初に名前を挙げてもらえないと1軍に残れない。追い付け追い越せの気持ちでしがみつく」と必死に背中を追い掛ける。
14日のレギュラーシーズン再開まで1週間を切った8日のオリックス戦は猛打賞の大暴れだ。六回は先頭でセーフティーバントを敢行。悪送球を誘って二塁まで進み、チーム初得点に実らせた。
さらに、最終回は粘り強さを発揮。二死二塁から5球連続ファウルで粘った末の9球目、フォークボールを一、二塁間にはじき返してサヨナラの内野安打を記録した。冷静な状況判断は、前半戦の反省が生きている。
代打起用の多かった前半戦は打率2割2分2厘と低迷。「勝ちパターンの投手を相手に1打席でチャンスをものにしたいという思いが空回りした。逆手に取られる感覚があった」。坪井打撃コーチらの助言を受け、このエキシビションマッチでは「頭の中を整理してからプレーできているのが良い結果になっている」と手応えを得ている。
宮崎や佐野は代打からキャリアを積み重ね、チームの顔にまで上り詰めた。「僕は本塁打を多く打てる打者じゃない。がむしゃらに食らいつく姿勢で、他の選手との違いを示していく」。限られた打席で印象的な一打を放ち、躍進を遂げる後半戦の象徴となる。
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