tvkプロ野球中継「熱烈LIVE」を担当する吉井祥博アナウンサー、根岸佑輔アナウンサーが月に1回程度、日々の出来事やエピソードをコラムでお伝えします。今回は吉井アナウンサーの第2弾。
待ち遠しかったプロ野球のペナントレースが再開。実況担当アナウンサーにとっても中継資料作成の日々が戻ってきましたが、どうもこの時期は作業がはかどりません。高校野球から目が離せなくなってしまうのです。
横浜高校の1回戦はこれぞ高校野球という試合でした。逆転サヨナラ3ランを放った1年生の緒方漣選手は、川崎市の川中島中学の出身。ドラゴンズやジャイアンツで活躍し、東京五輪で金メダルを獲得した「侍ジャパン」では内野守備・走塁コーチを務めた井端弘和さんが大先輩です。学校行事の際、母校を訪れた井端さんの姿に当時の緒方選手は憧れを抱いたそうです。
「憧れの選手」人気は?
tvkは毎年7月に全国高校野球神奈川大会の中継を連日お届けしています。私と根岸佑輔アナウンサーは放送前に可能な場合は、各高校のグラウンドに出掛けて選手たち一人一人の言葉を聞きます。その際「憧れの選手、目標や参考にする選手は?」という質問もします。各選手の目指すプレー、野球観などを知る参考になります。
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手への注目度は別格ですが、例えば思い切ったスイングを目標にする球児からはカープの鈴木誠也選手、ホークスの柳田悠岐選手、スワローズの村上宗隆選手ら強打者の名が多く挙がりました。
内野手から支持を集めたのはカープの菊池涼介選手、ホークスの今宮健太選手、ライオンズの源田壮亮選手…。捕手ならホークスの甲斐拓也選手、投手は何と言っても東海大相模高校で活躍したジャイアンツの菅野智之選手、そして今年はバファローズの山本由伸選手が大人気でした。
部員半数近くが「ベイ党」も
気になるベイスターズ選手の名ですが、憧れとして挙げる高校球児は確実に増えています。10年ほど前までは各校平均で約1割の球児が三浦大輔、石井琢朗、鈴木尚典、村田修一各選手らを挙げていましたが、6~7年前からは筒香嘉智選手の活躍やチームの躍進もあって一気に倍増。部員の半分近くがベイスターズファンというチームも出てきています。
この夏もたくさんの高校球児から、ベイスターズ選手の名前を聞きました。今永昇太選手を推すエースは「ストレートの切れも魅力だけど、マウンドでの立ち振る舞いが好き」。山崎康晃選手に勇気をもらっているという選手は「僕のお母さんも山崎投手と同じフィリピン出身。山崎投手のようにいつも笑顔で周りを明るくするプロ野球選手になりたい」と輝いた表情で語ってくれました。
強豪私立高校のある選手からは「小学校の時、ベイスターズジュニアチームに選ばれて背番号は9。いつかベイスターズに入団して同じ背番号9でプレーしたいです」と力強い言葉も。ベイスターズが巻き返しを期す後半戦、たくさんの野球少年たちがグラウンドへ熱い視線を送っています。
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