プロ野球で戦力外となった選手らを対象とした12球団合同トライアウト(入団テスト)が8日、埼玉県所沢市のメットライフドームで行われ、横浜DeNAを自由契約になった飯塚悟史投手や2018年に最多勝に輝いて西武のパ・リーグ優勝に貢献した多和田真三郎投手ら33人が参加した。
シート打撃形式で行い、投手22人が打者3人ずつと対戦した。オリックスを戦力外となった荒西祐大投手が3三振を奪い、野手では中日で今季93試合に出場した武田健吾外野手が2安打を放ってアピールした。
昨年に続き無観客で行われ、スタンドでは日本ハムの新庄剛志監督、稲葉篤紀ゼネラルマネジャー(GM)ら各球団の編成担当者らが視察した。
飯塚「NPBが一番の目標」
起死回生の一球だった。3人の打者と対戦するトライアウトで、先頭から連続安打を許した飯塚。いずれも早いカウントで打たれ「見せたいボールを見せられずに2人が終わってしまった」。それでも3人目を追い込むと、最後は決め球のフォークボールで見逃し三振。納得の表情でマウンドを降りた。
ドラフト7位で2015年に入団し、先発として期待されていた大型右腕。近年は肘の故障に苦しみ、ことし8月にクリーニング手術を受けて再起を期していたが、10月に戦力外通告を受けた。
選手生命を懸けた登板を終え、「ホッとしているというか、すがすがしい気持ち」と口調は明るい。11月の秋季トレーニングでは後輩の勝又らを相手に打撃投手を務め、実戦感覚を磨いてきた。直球は最速144キロをマーク。「手術してからここまでしっかり投げられるようになったことは大きい」とうなずいた。
「まずはNPBから声を掛けてもらうことを一番の目標にしてきたので、待ちたい」。25歳は最高峰の舞台で、もう一度戦うつもりだ。
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