土壇場で大仕事…最後まで諦めなかった男にアッパレ
ヤクルトが9回劇的なサヨナラ勝ちで6連勝。先週末の広島3連戦に続いて巨人を3タテで下し、優勝マジック点灯にリーチをかけた。
ヤクルトは6回無失点と好投した原樹理を筆頭に投手陣が無失点リレーを展開するも、打線が巨人先発の菅野智之の前に6回までノーヒットに抑え込まれ、両軍スコアレスのまま最終回に突入。9回先頭の代打・川端慎吾もビエイラの160キロに空を斬り、大記録誕生へのカウントダウンが進んでいた。
それでも続く1番・塩見泰隆が2球で2ストライクに追い込まれながらも、スライダーに食らいつきチーム初安打となる左前安打で出塁すると、続く青木宣親の打席でしきりに牽制を受けながらも二盗を成功。二死後の3番・山田哲人はボテボテの打球だったがこれが遊撃への内野安打となり、遊撃・坂本勇人の一塁送球がワンバウンド。一塁手・若林晃弘がファンブルする間に、迷いなく三塁ベースを蹴っていた塩見がサヨナラのホームを駆け抜けた。
土壇場9回にチーム初安打を放ちチャンスメークした塩見は「成功する確率が高いんじゃないかと思ったので思い切ってスタートをきりました」と今季21個目の盗塁を振り返り、「本当に嬉しかった。今年一番の盗塁だったんじゃないか」と笑顔。決勝打の山田とともに、本拠地・神宮のお立ち台で喝采を受けた。
7日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた大矢明彦さんは「まさかヤクルトに勝ちが転がり込んでくるとは思いませんでしたよ」と劇的な幕切れとなった一戦を振り返り、「初ヒットが塩見に出て、思い切ってスチールにいった。これがサヨナラの一番の大きな要因。引き分けで良かったなという内容でしたよ。牽制もされたんですよ。それでも思い切って走った」と、痺れる場面で盗塁を決めきった塩見を称賛。
同じく番組に出演した高木豊さんも「(捕手の)小林もなんのロスもなく素晴らしいボールだったと思うんですよね。そこをセーフにするという素晴らしい脚を持っているなと。もう勇気ですよね」と、土壇場で勝負強さを見せた背番号9の働きを称えていた。
また、同日に飛び出した最高のプレーとして紹介される『Play of The Day』には源田壮亮(西武)の好守が選出されたが、番組MCの高木豊さんが「源田には悪いですけど、僕はこれをもう一度出したかった」と、山田の内野安打の間に二塁から一気に生還した塩見の走塁を再度紹介。
打者走者の山田がアウトになればゲームセットという状況のなか、猛スピードで三塁ベースを回っていた塩見の姿に、大矢さんは「やっぱり油断してないよね。“ひょっとしたら”という気持ちでやってくれないとこの1点にはつながらなかった」とコメント。最後の最後まで1点を諦めなかった塩見の好走塁に賛辞を送っていた。
この日は阪神がDeNAに逆転負けを喫したため、2位とのゲーム差は「2」に拡大。ヤクルトは8日の阪神戦に勝てば優勝マジック「11」、引き分けでも同「12」が点灯する。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』
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