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原点は化粧品の実演販売 令和に誕生した爆笑王・落語家、桂宮治<現代の肖像>

2021年3月1日 19:00 AERA/photo 横関一浩

 落語家、桂宮治。今年2月、落語界に新たな真打が誕生した。29年ぶり、5人抜きの抜擢昇進した桂宮治だ。本来であれば、華々しく披露興行も行われるが、コロナで客席は半数に抑えられた。それでも切符を求めて長蛇の列ができた。爆笑をさらう宮治の落語は、人生の辛苦を少し忘れさせてくれる。泣き虫で繊細な宮治だからこそ、多くのファンが集まる。

*  *  *
 隣席の老人は眼鏡をはずして何度もハンカチで涙を拭う。桂宮治(かつらみやじ)(44)の落語を聴いて泣いている。悲しいのではない。あまりに馬鹿げていて腹がよじれ笑い過ぎているのだ。「お菊の皿」という「番町皿屋敷」に材を取った古典落語は、幽霊がちゃっかり見世物興行に出るという馬鹿ばかしい怪談ものの滑稽噺である。主人公の幽霊お菊は若き美人ゆえに見世物商売となるのだが、宮治が登場させたお菊はコンプライアンス上ここでは文章化できないほど真逆の幽霊。この掟破りの設定がとんでもない爆笑を生みだしていた。速射砲のようなテンポとキレ、意表を突くギャグ、古典作品を改作する能力に長けた「宮治落語」と呼ばれる宮治の落語会は、爆笑でいつも揺れるようだった。

 このコロナ禍に令和の爆笑王が登場した。

 緊急事態宣言下の2月7日、東京・新宿の京王プラザホテルのいちばん大きい宴会場に550人の関係者やファンなどの招待客が集まり、前代未聞の真打昇進披露パーティーが開催された。演芸界の歴史に残るであろう何もかもが異例ずくめの真打披露だ。800人の招待客から続々と届くキャンセルの葉書。いっさいの飲食なしだから引き出物に入れる豪華弁当をどう誂えるか。いっそのことやはり中止にするべきか。宮治がどれほど悩んでいたか。それでも550人もの客が祝いに駆けつけたいといっている。

「非常事態の中でパーティーをやってお客様がどう思われるかずっと悩んできました。でもなんとしてでも開きたかった。考えた結果がこれです」 

 宮治が涙ぐんで挨拶した。

 壇上でエア乾杯の音頭をとった六代目三遊亭円楽の言葉が響いた。「今日の披露宴をやらないという選択肢があったはず。でも制限の中でどうやったらできるのかを考え続けた。こういうご時世にこういう人が出てきてくれて嬉しい」

 落語芸術協会(芸協)所属の宮治は、会長の春風亭昇太以来29年ぶりの5人抜きの抜擢昇進だ。落語家には前座、二ツ目、真打という階級制度があり、最終階級の真打を目指して精進する。この真打になるのが「遅すぎる」と待たれていたのが宮治である。その人気と実力は前座時代から注目され、若手二ツ目たちでその実力を競うNHK新人演芸大賞落語部門大賞を、8カ月前まで前座だったという異例の早さで受賞し話題をさらった。そのほかにも多くの賞に輝く実力を持ちながら、芸協の「抜擢昇進は基本的にしない」慣例から、入門順序列の中にいた。昨年、人気講談師の神田伯山が9人抜き抜擢昇進したように、爆笑系スター落語家がやっと抜擢昇進されたのだ。

【新宿から上野までブツブツ 春風亭一之輔「落語のテンポって、歩くテンポにすごく合う」】

 新真打披露目では、業界関係者や客に手拭いや扇子と一緒に「口上書き」というものを配ることになっている。所属協会会長や師匠からの挨拶とともに、歴々からの祝いの寄稿文を集めたものだ。そこに当代一の人気と実力を誇る春風亭一之輔が寄せている。「僕が知る限りはこういうのは見たことない」と演芸評論家の長井好弘(65)が笑うように、口上書きに他協会である落語協会の若手真打が祝いを寄せるというのは異例中の異例らしい。宮治が敬愛し公私ともに親しい一之輔が口上書きで述べている。「(中略)宮治はバケモノのような二つ目になってしまった。相変らず、彼の顔はおもしろく、それ以上に噺がおもしろく、そして彼のあとはとてもやりにくい。だから私も燃えるのだ。(略)宮治は私のライバルです」

 披露宴の4日後、4カ月ほど続く披露興行の最初の日、大初日を新宿・末広亭で迎えた。緊急事態宣言下なので客席は半数に抑えられている。それでも入場整理券を求める客の列は徹夜組もいて末広亭を一周した。朝には150人ほどの列が寒さの中に並び、宮治が笑わせながら一人ひとりに使い捨てカイロを配っていた。こんな新真打もまた異例である。アクリル板が立てかけられた高座、掛け声の禁止、間隔をあけた立ち見席には小さな子どもたちまでいる。神田伯山の司会による口上の席には、この日のゲスト笑福亭鶴瓶も並び、めちゃくちゃに賑やかな披露目初日に、客はしばし災厄のただ中にいることを忘れた。

 マシンガンのようなパワフルで速力の「宮治落語」の誕生は、宮治の社会人経験と無縁ではない。

 東京・品川の生家は、肉屋、ステーキハウス、テナント業などを営み両親ともに多忙を極め、上に年の離れた姉が3人いたが、夕食はいつも一人。小学校の高学年になるまで祖母の部屋で眠った。中学生時代、祖母に連れられて観た大衆演劇をきっかけに芝居に魅せられる。高校で廃部になっていた演劇部を再開させようとしたが失敗。アルバイトに精を出しながら、芝居を観て歩いた。高校卒業後は役者の道を目指そうと、通い詰めていた加藤健一事務所に入所する予定がアクシデントで入所し損ねた。別の養成所に入り3年間、アルバイトと舞台役者の生活が始まった。とはいえ、この時点では落語との接点は皆無だ。

 お決まりのような舞台役者のアルバイト生活。芝居をやるには金がかかる。1カ月に及ぶ稽古の間の生活費を工面しなくてはならない。そのためにレストランのホールやシロアリ駆除会社の営業マンなど必死で働いた。芝居の先輩から「役者やお笑い芸人もやっている仕事があるけどやってみないか」と紹介されたのが、ワゴンの化粧品販売の仕事だった。スーパーなどの通路にワゴンを置き話術を駆使して売る、いわば化粧品の実演販売だ。通りすぎる人の足を止めさせる。買わせられるという不安を拭いさり、無料配布の化粧品だけはもらいたいがあとは逃げだしたいという客の心理をつかみ、その場から一歩も逃さないため、息をつかせないほど畳みかける話術を天性で会得していった。この販売の様子をそのまま再現して織り込んだほろりと泣かせる新作落語「プレゼント」は、宮治落語の原点だ。かつてこの仕事を共にしていた現在テレビなどで活躍中のナレーター山崎岳彦(46)は、売り上げのトップを独走する宮治の販売をこっそりのぞいたことがあった。

「一生懸命に説明しながら額から汗が流れてくると、ほら豚の脂が流れてきたっていってお客さんをドッカンドッカン笑わせている。今の落語と重なります。これは僕には出来ないなとあきらめたものです」

 芝居を続けるためのアルバイトだったはずなのに気が付くと有名化粧品メーカーから指名が入り、全国を飛び歩いた。売り上げは全国一。収入は20代の平均年収の倍を遥かに超えていた。

「人を不幸にしているんじゃないかと思いだして。要らないものを要ると騙して買わせているんだから一生の仕事には出来ないと悩みだしたんです」

「もう好きなことをしたら。私がまた働くから」と背中を押してくれたのが、2歳年上の妻の明日香(46)だ。ふたりの結婚披露宴で、列席していた宮治が所属していた会社社長を目の前に、突然退職を宣言する。宮治は30歳になっていた。

 これから一生続けられる好きなこととはなんなのか。ノートパソコンでユーチューブを開いた。生まれて初めて観る落語というものがあった。ここで、関西の爆笑王と呼ばれた二代目桂枝雀(しじゃく)の「上燗屋(じょうかんや)」に出合う。タダの肴ばかり選りすぐる酔客の噺だ。枝雀のオーバーアクションと言葉遣いがめちゃくちゃ可笑しい噺である。

「10回は繰り返し観て大笑いした。これだ、落語だって確信したんです」。お笑い芸人になるのには反対した妻が賛成してくれた。落語家になるには、どうやら落語家の師匠に入門しなくてはいけないらしい。ユーチューブを観まくり、都内のあらゆる寄席や落語会に通った。どの師匠に入門したらいいのか皆目わからない。落語をまったく知らないからこそ自分の好きな落語を話す落語家を探すのではなく、父親のように一生慕っていけるような落語家を見つけようと漠然と決めていた。国立演芸場の寄席に出向いたとき、高座の袖からにこやかにゆらりと出てきた三代目桂伸治(しんじ)を観た時全身に稲妻が走った。

「頭が真っ白になって電気が走ったようなことは人生で初めてでした」。伸治の落語を聴く前にこの人を師匠としようと決めたのだ。

「博打みたいだって? 違いますよ。自分の人生を預ける人はこの人しかいないと一瞬で決めるということは正解でしかないんだ。親以上と思えるような人を探すのが師匠選びでした。変な話、下の世話までできると思える人が師匠なんです。この話してるだけで、僕涙が出そうだ」(文中敬称略)

(文・守田梢路)

【「それは週刊誌の記者だよ」 赤江珠緒がテレ朝着任直後に体感した東京と大阪の違い<現代の肖像>】

※AERA2021年3月1日号から

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「やればやるほど赤字」肉牛価格下げ止まりにコロナが襲った…福島の農家が悲鳴

2021年3月1日 19:00 AERA/(c)朝日新聞社

 未だに震災の影響に苦しむ福島県の農家を、コロナが襲った。あまりに悲惨な現状に、人々は身動きがとれないでいる。AERA 2021年3月1日号で取材した。

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「身動きが取れないです」

 福島県伊達市。肉牛農家の狗飼(いぬかい)功さん(73)は力なくつぶやく。60頭ほどの牛を飼育し、年間およそ30頭を東京や県内に出荷してきた。

 狗飼さんは元々商社マンだ。60歳の定年を機に、家の畑を整地し牛舎を建て肉牛を育てる農家になった。だが翌年、原発事故が起き、牛の餌となる稲わらが放射能で汚染された。県は肉牛の出荷を停止し全頭検査を始め、2011年8月下旬以降、基準値(1キロあたり500ベクレル、12年10月からは同100ベクレル)を超えた牛肉は出荷されていない。が、全国トップクラスといわれた「福島産」の肉牛価格は急落。いったん失った販路の回復は難しく、東京都中央卸売市場で福島県産和牛の1キロあたりの平均単価は全国平均より300円近く低い状態が固定化した。

 そこをコロナが襲った。外食産業は営業を自粛し、肉牛の需要は減った。狗飼さんは生後10カ月の子牛を100万円ほどで購入し約20カ月かけ育てた後、1頭120万円ほどで出荷する。しかし1頭にかかる餌代は約40万円。1頭育てるのに20万円近い赤字となるのだ。農家仲間は次々とやめていくが、狗飼さんは投資して牛舎を建てたのでやめるにやめられないという。

「やればやるほど赤字です。福島肉牛の火を消したくないから、頑張っているようなものです」(狗飼さん)

 牛以外はどうか。

「川下の部分で消費が止まり、川上から川下にお米が流れていかず、どんどん疲弊していっている状況です」

 会津よつば農協(福島県会津若松市)米穀課長の筒井秀(しゅう)さんは、福島の米農家が立たされた苦境をこう説明する。

 国内屈指のブランド米として知られる会津産コシヒカリも、原発事故とコロナで一変した。事故で「福島産」の米の価格は大幅に下落し、「国産」とだけ表示される業務用米にシフトが進んだ。16~17年産米の福島県産の業務用比率は、全体の65%を占め群馬と並びトップになるまでに。そこにコロナが来た。外食店舗の営業自粛で、業務用米の需要は落ち込んだ。農協の農業倉庫には、本来なら相当量出荷が進んでいるはずの「2020年産」の会津産コシヒカリ米がまだ積み上がったままだ。筒井さんが言う。

「もう、いち農協でどうこうできるレベルの問題ではない。国は何か一つでもいいので手立てを打ってほしい」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2021年3月1日号

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ローソン社長・竹増貞信「スーパーの店頭で牛肉を売る毎日 現場に立つことから見えたもの」

2021年3月1日 19:00 AERA

「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

*  *  *
 ローソンの社長になるまでに、営業、広報、社長秘書など様々な仕事を経験してきました。どの仕事もやりがいがあり、日々が発見の連続。その中でも色濃く記憶に残っていることがあります。

 社会人になってまもなくのことです。輸入自由化の影響で大きな在庫となった牛肉を売りきるというミッションに向き合ったことがありました。電話帳を片手に飛び込みで各地のスーパーに営業をする日々。なんとか店頭販売にこぎつけると、会社の業務後や土日に現場に行き、エプロンをつけて販売員として働きました。

 店頭だけではなくバックヤードやプロセスセンターで働く従業員の方に、好まれる肉の部位や肉のカットの仕方などのアドバイスをもらい、それを販売に生かしていく。お客様に10グラムでも20グラムでも多く買っていただくと、それが店の売り上げになります。そのためにどうすればいいのか、思考を巡らせることが何より楽しかった。販売量も増えていきました。

 あまりオフィスにいることはなく、上司には「竹増って今日どこにいるの?」と思われていたかもしれません。それぐらい現場にはたくさんの気付きがありました。

 お客様がお肉を目の前で試食される様子や、お肉を口に入れた瞬間の子どもたちの表情はオフィスからは見えません。本社でパソコンと向き合いデータを見ることも大切ではありますが、お店には数字には見えない真実がありました。

 今も加盟店のオーナーさんや、働いているみなさんに話を聞くということを大切にしています。本社でやろうとしていることがお客様にとって良いことなのか、そしてお店の状況に合っているのかをきちんと確かめていく。

 まずは現場から。社長になった今も一番大切にしています。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

【ローソン社長・竹増貞信「からあげクンが宇宙食に! フリーズドライ製法で旨みを詰め込みました」】

※AERA 2021年3月8日号

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_vzxxjazbeccm_訪れた温泉は全国約500箇所! 温泉オタクOLによる、永久保存版偏愛ガイドブック刊行 vzxxjazbeccm vzxxjazbeccm 訪れた温泉は全国約500箇所! 温泉オタクOLによる、永久保存版偏愛ガイドブック刊行 oa-aera 0

訪れた温泉は全国約500箇所! 温泉オタクOLによる、永久保存版偏愛ガイドブック刊行

2021年3月1日 19:00 AERA/photo 張溢文

 AERAで連載中の「この人この本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。「書店員さんオススメの一冊」では、売り場を預かる各書店の担当者がイチオシの作品を挙げています。

訪れた温泉は約500湯。暇さえあれば女ひとりで温泉をめぐる「温泉オタク会社員」が語る、温泉の選びかた、楽しみかた。市井の温泉ファンならではの偏愛にあふれた、実用的な温泉案内だ。著者の永井千晴さんに、同著に込めた思いを聞いた。

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 訪れた温泉は約500。現在は会社に勤めながら、隙あらば女ひとり、温泉をめぐる──そんな市井の温泉オタク・永井千晴さん(28)が、温泉の楽しみかたと「推し」の温泉を紹介するのが本書だ。

「学生時代、温泉メディアのライターとして、ひとりで全国の温泉をめぐったのが、ハマったきっかけです。最初のスタイルのせいか、『ここぞという湯』に入るときはひとりがいいですね。一湯で集中できますから」

 日本には約3千の温泉と2万の温泉施設がある。熱海や別府といった有名なところもあれば、人里離れた山奥に一軒宿だけという温泉地も。規模も集客力も様々だが、少子高齢化の中、多くの温泉が「ギリギリ」で経営している。

「私が温泉オタクとして活動を始めたのは、多くの人に温泉に行ってもらい、現地で“課金”してほしいという気持ちからでした。自分の推しの温泉に行って、1泊することでその温泉が一日でも長く営業できて、最高のお湯が守られるのなら、温泉旅行も立派な“推し活”です」

 永井さんの温泉への情熱は本にもあふれている。「いつ行くか」に始まり、目的に合った温泉地や宿の選びかた、交通手段、宿での過ごしかた──など、温泉旅行を充実させる具体的な方法が見事に整理されているのだ。

「旅行雑誌では、読者の課題を考えてから書いていました。みんなが何に困っているのかを聞いてみると『自分が行きたいのがどんな温泉地なのかがわからない』と。一番大事な情報なんですが、たどり着くのが難しいんです。そこで本には東京と大阪から『1泊2日で行けるおすすめ温泉』などのチャートと具体的な温泉の紹介も載せました」

 収録されているチャートは、Twitterで6万8千リツイートされたそうだ。他にも「温泉で大事なのは鮮度」「宿泊と食事を分ける」「イマイチな温泉は計画と工夫で避けられる」「温泉を優先するなら10部屋未満の小さな宿へ」など、指摘されれば確かに──と思う、温泉との付き合いかたが満載だ。

 そんな永井さんがとりわけ薦めるのが「足元湧出」温泉だ。その名の通り、湯船の底である板の間や岩盤の隙間から温泉が湧いているというもの! もちろん新鮮で「匂いも肌触りも段違い」だという。

「湯守りという言葉がありますが、良質な温泉を守っていく方は今、本当に大変だと思います。静かに温泉を楽しむひとり温泉を推奨していきたいです」

(ライター・矢内裕子)

【「地球の歩き方」東京版 国内旅行すらできない“最悪の船出”から大ヒットの意外な理由】

■ブックファースト新宿店の渋谷孝さんオススメの一冊

『ごほうびごはん』は、コロナ禍でのささやかな楽しみの見つけ方を教えてくれる、心温まるコミック。ブックファースト新宿店の渋谷孝さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 東京の中央線沿線の会社に勤務するOLが、1週間頑張った自分を労(ねぎら)うために毎週末「ごほうび」として、ちょっとした贅沢や一風変わったご飯を食べる作品です。地方に住む主人公の家族や親戚、会社の同僚、アパートのお隣さんなども登場し、食べものを中心に物語が広がっていきます。

 この13巻では、現実世界と同じ形で新型ウイルスの脅威が日常に影を落とします。主人公たちがマスクをつけ、仕事はリモートワーク、行こうと思ったお店が臨時休業など、これまでの当たり前から新しい暮らしを模索しています。

 いろいろと変わってはしまったけど、美味しいご飯は変わりません。ささやかな「ごほうびごはん」を楽しむキャラクターたちが魅力的な作品です。この13巻では表紙のキャラクター2人がマスクをつけているのも斬新でした。巻数はありますがおススメです。

※AERA 2021年3月1日号

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「自粛しない若者」像にうんざり 自粛する若者たちが抱く虚しさの背景とは

2021年3月1日 19:00 AERA/photo 高野楓菜

 大学生活は自粛一色なのに、「自粛しない若者」像ばかりがクローズアップされる。割を食っている──。若者たちが抱える虚しさの背景には、国や自治体のコミュニケーションの失敗と、若者たちの間で進む孤立化がある。AERA 2021年3月1日号から。

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 自粛続きで、タイムワープしたような1年だった。

「2020年を振り返ったら、本当に何もなかった。時間が失われた感覚がしました」

 神奈川県に住む大学生の女性(20)はコロナ禍の1年をそう振り返る。一度も大学に入構せず、授業はすべてオンラインで受けた。図書館は条件付きで利用できるが、県をまたぐ移動を避けているため、活用できていない。

「小中高生や社会人は制限付きでも、通勤通学できています。それを見ていると、モヤモヤしてしまう。県外に住む友達とは、もう1年以上会っていません」

 それなのに、国や自治体からの呼びかけに「20代」「若者」という言葉が相変わらず目立つ。

「若い方は体力があり、行動力がある方々が、自分自身が感染している自覚がないままあちこち活動される」(20年3月、小池百合子都知事)、「どうか、若い世代の皆さん、日本の危機を救う立役者になってください」(今年1月、尾身茂・政府分科会会長)。

 後者の発言の若い世代とは20~50代を指すが、2月2日には同分科会は若者に卒業旅行や謝恩会を控えるよう呼びかけた。

■涙が出る日も多かった

 これでは「若者」が自粛せず出歩いているように思われ、自粛している若者まで悪者にされてしまう、と危惧した。世代間の断絶を煽る姿勢とも感じた。

「若者に呼びかけるのに、政治家はクラブに行ったり、飲酒を伴う会食でクラスターが発生したりしている。私たちが我慢していることのすべてが無駄に思えました」(女性)

 昨年10月頃は、虚しさが募り、泣きたくないのに涙が出る日も多かった。今は、医療従事者にできるだけ迷惑をかけないようにという一心で、なんとか気持ちを保っている。

 コロナ禍で、若者たちは何を感じ何を考えているのか。アエラでは、インターネットを通じて10~20代を対象にアンケートを実施した。程度の差はあれ、回答した若者の多くが、「自粛しない若者」のレッテルに違和感を持っていた。

「若者が感染を広げているというのは、コロナ禍の初期に作られた設定なのかなと思うようになりました」

 そう話すのは、慶應義塾大学3年の女子学生だ。若い人に無症状感染が多いことには、もちろん気を付けるべきと考えている。ただ、「自粛しない若者」がテレビやネットで話題になる度に、やるせなさを感じていた。

「どんどん新しい情報が出て、何が許されて何が許されないのかの設定が変わっていく。そう考えるようになってからは、そこまで気にならなくなりました」

 だが、その“設定”の矛先は、たやすく若者へ向く。

 接待を伴う飲食店で立て続けに五つのクラスターが発生した石川県では、2月12日、“「飲食」「若者」感染拡大特別警報”が発令された。同県在住の男性(29)は言う。

「カラオケクラスターが頻発したときには、カラオケや高齢者を名指しした警報は出なかった。また『若者が』と言われる日がくるのかとうんざりしています」

■若者の孤立化進む

 憤りはあるが、若者たちの視点はどこか俯瞰している。アンケートでも、「自粛の線引きは人それぞれだが」「一個人の意見として」などと前置きして、意見を述べる人が目立った。

 客観性の裏側には、生き方が多様化して若者の孤立化が進んだことがあるという。

 立命館大学准教授で社会学者の富永京子さんはこう分析する。

「近年は出自が多様化し、またそれが顕在化したことで、他人と自分は異なるものだという感覚が強まっています。さらに、コロナ禍では集まって相互理解を深めることもできません。自分が何かの代表という意識を持って発言することはますます難しい状況です」

 SNSなどを通じてつながることはできても、1対1以上のコミュニケーションは生まれにくい。互いの利害が見えないため、踏み込んだ話もできない。孤立化はさらに加速する可能性もある。

「東日本大震災時や就職氷河期の若年層にも、その世代特有の問題はありました。ただ、コロナ禍ではそれが顕在化しづらい。震災などの災厄とは違うレベルで孤立化が進んでいると感じます」(富永さん)

 若者たちが抱く将来への不安も少しずつ表面化している。

「できるものなら1年を返してほしい」

 そう話すのは、「若者全般の意見ではない」とした上で取材に応じた20歳の大学生だ。

■自粛の「見返り」どこに

 本来なら、今年は成人式で久しぶりに会う友人たちと楽しい時間を過ごすはずだった。だが、式は中止になり、その後に予定していた同窓会もなくなった。

「成人式の後に同窓会があるかないかは、今後開かれる同窓会にも影響します。私たちの代は、将来音信不通になったり、生死不明の同級生が増えたりするのではないかと思います」

 この学生にとって、20歳の節目となる年は、「人生で一番楽しかったはずの大学2年生」。その時期を思うように過ごせなかったことが、悔しかった。

「当事者しかわからないかもしれませんが、18~30歳くらいの世代とそれより上の大人の1年は遥かに重みが違います。なのに、どうして『最近の若者は』なんて言う人たちのために我慢しなければいけないのか。『見返りは?』というのが本音です」

「見返り」というと、自分勝手に聞こえるだろうか。だが、そうした感情を持つ人は少なくないようだ。心療内科医の海原純子さん(68)は、若年世代が受けた教育の影響を指摘する。

「診察していて感じるのは、大学入試や就職といった『目標』が掲げられ、その結果のために行動を求められ、行動してきた世代だということです」

 前出の富永さんは言う。

「若い世代と年長世代の見返りへの感覚は大きく異なります。我慢という形で貢献すれば、安全になった社会で楽しさを享受できるというのが年長世代の考える見返りです。ただ、若い世代からすれば、楽しさは本当に享受できるのかと疑ってしまうほど、社会の展望が見えない状況です」

 青山学院大学を卒業した女性(25)もキャリアが見通せず、不安を抱えている。

 女性の卒業は、留学したため、昨年9月。卒業時期に合わせて就活に励んだが、売り手市場は買い手市場に激変していた。目指した客室乗務員やメイク業界はコロナ禍の打撃を受け、採用は見送られた。「せめて空港内で働きたい」とアパレルショップに就職。ノルマを伴う激務のため転職を考えているが、志望業界は経験者募集ばかりだ。

「若い頃の方が吸収する力は圧倒的に大きいのに、行動制限で活動範囲が狭くなってしまったことは、今後の人材育成にも影響するように感じています。いつまで我慢していればいいのか、夢だった仕事に就くことができるのか、不安なままです」

■不満は人に伝えて

 大手企業が相次いで早期退職を募集するなど、先行きは不透明なままだ。国や自治体などが行う就職氷河期世代向けの支援も、どれだけの人に届いているのかわからない。

 そんな状況で若い世代が将来を想像するのは至難の業だ。

「若い世代の方には、不満を個人の中にため込まず、人に伝えてほしい。そして社会はその声に耳を傾けなければいけない。過去の若者政策の失敗は、彼らの声に対して社会が適切なセーフティーネットを提供できなかったことにあります」(富永さん)

 一人ひとりの不安感を矮小化せずに吐き出すことで、社会が動く。それが「見返り」にもつながっていく。第二のロスジェネを生まないためにも、上がった声を殺してはいけない。(編集部・福井しほ)

【白石麻衣、自粛期間中にお風呂で乃木坂の曲をヘビロテ 卒業後のチャレンジとは】

※AERA 2021年3月1日号

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女性蔑視発言、どう反応するのが正解? 「えっ!」と返すことで雰囲気に変化も

2021年3月1日 19:00 AERA/gettyimages

 森喜朗氏の女性蔑視発言が大きな波紋を呼んだが、職場などで実際にそうした言葉を投げかけられたという女性は少なくない。男女平等な社会をつくるためには、差別的な発言に出合ったときの受け答えを考えておく必要もある。女性たちの体験を取材した、AERA 2021年3月1日号の記事を紹介する。

*  *  *
 普段から職場などで抱く違和感の正体は、個人の実力や実績より、「男性」「年長者」など所属や肩書が優先されることだ。コンサルティング業界で働く50代の女性は、かつて働いた外資系メーカーで30代初の女性部長に昇進した際にこう言われた。

「女性だし、若いから本来なら順番が違うのだが」

 この会社はダイバーシティーを打ち出していた。そんな会社でさえ順番が問題になるのかと暗澹たる思いだったという。

 千葉県在住の20代学生は、就職活動で、「入社年次関係なく、自分の考えを述べる機会があり、受け入れる体制が整っている会社を希望している」と伝えたところ、「その会社が続いてきたのにはそれだけのノウハウと経験があるわけだから、それにまず従ってみるべき。最初のうちは学ぼうとする姿勢がないとだめだ」と言われた。

「発言するのに若いか古株かは問題でしょうか。ディスカッションは、お互いの意見をシェアし受け入れることが大事だと考えています。そこに、入社して何年目かという価値基準が設けられるような会議や話し合いの場なのであれば、最初から若い社員は抜きでやればいいのに」

 スウェーデンのヨーテボリ大学で公衆衛生を学ぶ大学院生の福田和子さんは普段から「#なんでないのプロジェクト」の代表として、避妊や性教育の問題に取り組むが、ここでもジェンダーギャップを感じている。厚生労働省の検討会を傍聴すると、男性ばかりのメンバーの中に女性は1人で、女性の切実さが伝わらない。政策提言をしても男性議員は興味を持たない。

「女性が意思決定の場に少ないなど、構造的なジェンダーギャップが問題解決の妨げになっていると感じています」

 ブランド戦略立案を専門とし、女性のエンパワーメントにも取り組んできたブランドストラテジストの大橋久美子さんは、今回の森氏の発言が引き起こした一連の流れを、ダイバーシティーに対する意識変革の機会だとみる。

「森氏のように、“わきまえている”女性の意見だけを求めるということは、女性を入れて化学反応を起こし新しいものを生もうという認識はなく、今まで通りに無理や無駄なく進めていきたいという感覚がある」

 経営課題の解決やメリットのためではなく、女性を入れてあげなきゃいけないんでしょうという話でしかダイバーシティーを捉えておらず、マジョリティー側の上から目線も感じるという。

「会社や経団連の役員にも見られる恐るべき同質性が企業低迷の一因になっている。女性をはじめとする多様な視点を取り入れ、長期的に企業価値を高めていくための『ダイバーシティー・ポジティブ』を目指す覚悟が重要です」(大橋さん)

■答え方を練習しておく

 現在いくつかの企業の社外取締役を務めている50代女性は、取締役になるための面接を受けるときは、必ず確認するようにしていることがある。

「女性だからいてほしいのであれば、他の人をあたってください。意見を求められているのであれば、ぜひご一緒に」

 わきまえずに声を上げるために、権利意識を持つことも大事だと福田さんは言う。

「性別に関係なく活躍すること、大切にされることは誰もが持っている当たり前の権利。そう思うことが背中を押してくれる」

 実際に使える技として福田さんが心がけているのは、差別的な発言をされたときにどう答えるかを、表情を含めて練習しておくこと。練習しておかないといざという時に曖昧に笑って流してしまい、後から悔しい思いをすることが多い。

「えっ! 今、何ておっしゃいました?」

 と聞き返すだけでも、その場の雰囲気を変えられるという。

 都内在住の40代女性は、30代の頃、デザイン事務所で50代の男性社長のアシスタントを務めていた。当時、クライアントとの打ち合わせ前には社長に「あなたはしゃべらなくていいからね」と毎回言われていたという。女性は、かつての自分を振り返りながら反省を込めて言う。

「社長には何度も食事をごちそうしてもらったことがあります。男性と年下の女性が組んで仕事をする場合、持ちつ持たれつはよくあるかもしれないが、それによってものが言えない自分を受け入れていた。今思えば、やめるべきだった。男女が対等に歩ける新しい公道をつくる道路工事が必要なのだと思います」

(編集部・高橋有紀、ライター・仲宇佐ゆり)

男社会を「わきまえてはいけない」 森喜朗会長の女性蔑視発言に怒りの声

※AERA 2021年3月1日号より抜粋

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羽生結弦選手3月の世界選手権へ 「4回転半のための体づくりをする」

2021年3月1日 19:00 AERA/(c)朝日新聞社

 年末の全日本選手権で優勝を果たした羽生結弦選手は、3月の世界選手権に挑む。今季はコロナ禍でグランプリシリーズには出場せず、これまでにはないようなシーズンを経験した。その葛藤をも乗り越えて、世界中に感動を届ける羽生選手。これからにむけてどんな気持ちで臨むのだろうか。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」3月号の記事を紹介する。

*  *  *
 昨年12月のフィギュアスケート全日本選手権で、圧巻の優勝を果たした羽生結弦。東日本大震災を仙台で経験した26歳は、コロナ禍の葛藤を乗り越え、価値ある勝利をつかんだ。

 羽生は昨年2月以降、地元の仙台で練習を続けてきた。

「1人だと、悩み始めると負のスパイラルに入りやすい。でも1人だからこそ深く分析したりだとか。経験するいい機会になりました」

 12月25日男子ショート、約10カ月ぶりの実戦となった羽生は、完璧な仕上がりだった。ショートはロック曲「Let Me Entertain You」。

「こんなにもつらい世の中、明るい話題になったらという思いで選びました」

 ビートに乗り、クールに弾けまくる。2本の4回転を軽々と決め、首位発進となった。

 フリーは新たな伝説を予感させる「天と地と」だ。上杉謙信を描いたNHK大河ドラマのテーマ曲である。

「僕自身、競技は好きです。でも、戦っても勝てなくなったり、僕が1位になることで誰かの犠牲があったり、葛藤を感じていました。謙信公の戦いの美学に影響され、気持ちをリンクさせながら滑らせていただきました。戦いに向かっていく芯みたいなものが見えたらいいなと思います」

 本番では、冒頭の4回転ループを決めると波に乗った。

「心からよかったと思えるジャンプでした。残る4回転サルコーとトーループは、長年一緒にやってくれているジャンプたちなので自信をもってやりました」

 音楽に溶け込み、強さと美しさが絡み合う。合計319・36点で貫禄の優勝だった。

「震災を経験した僕にとっては、やっぱりスケートは自分が好きなことでしかありません。(コロナ禍のなか)改めてスケートができるのは当たり前じゃないと痛感し、こうやって競技の場を設けてもらう罪悪感もあります。だから自分の演技が、1秒だけでも、皆さんの生きる活力になったらいいなと思いました」

 3月には世界選手権が予定されている。

「この試合が終わり次第、4回転半ジャンプのための体づくりをやっていきます。世の中の状況を見ながら、最大限の努力をしていきます」

【年表で振り返る羽生結弦ヒストリー】
1994年 12月7日 宮城県仙台市で生まれる
1999年 4歳でスケートを始める
2009年 ジュニア・グランプリファイナル、男子史上最年少の14歳で優勝
2010年 15歳、世界ジュニア選手権優勝
2011年 16歳、東日本大震災発生。アイスリンク仙台で練習中に被災し、リンクは営業休止に。自宅も被害を受け、4日間避難所で過ごした
2012年 18歳、全日本選手権で初優勝
2013年 19歳、全日本選手権連覇/初の五輪代表決定
2014年 19歳、ソチ五輪で日本男子フィギュア初の金メダル、世界選手権で初優勝
2017年 22歳、練習中に右足首を負傷
2018年 23歳、平昌五輪で2連覇/国民栄誉賞、個人最年少受賞
2020年 26歳、全日本選手権で、5年ぶり5度目の制覇

(スポーツライター・野口美恵)

※月刊ジュニアエラ 2021年3月号より

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「人事の宝刀」振りかざす菅首相が身内には大甘処分 重用する山田真貴子氏は「追い込まれ辞任」

2021年3月1日 19:00 AERA/(c)朝日新聞社

 総務省の大臣秘書官から東北新社に移った菅氏長男らによる同省幹部への接待疑惑。調査結果が公表されたが処分は大甘で、身内に甘い菅首相の姿勢が露呈した。AERA 2021年3月8日号の記事を紹介する。

*  *  *
 総務省は2月22日、「倫理規程に違反する疑いがある会食一覧」というリストを発表した。菅義偉首相の長男である菅正剛氏が勤める「東北新社」から総務省幹部らが受けた接待の詳細が記されており、銀座、赤坂、六本木などの歓楽街にある高級飲食店で計39回の接待が行われたことがわかる。

■関係取り持った正剛氏

「意見交換」「親睦会」「忘年会」「暑気払い」……。そんな名目で開かれた会食で総務省幹部ら13人が「おごられた」総額は、57万7005円。ほかにお土産代、タクシー代なども記されており、菅正剛氏ら接待する側の飲食代を含め、東北新社側が支払った金額は190万円を超える。

 東北新社の出席者は、当時の二宮清隆・東北新社代表取締役社長、三上義之・取締役執行役員(株式会社囲碁将棋チャンネル取締役、株式会社スター・チャンネル取締役兼務)ら。そして、総務省と同社の間を取り持ったとされるのが、「首相の長男」の看板を背負う菅正剛メディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長(株式会社囲碁将棋チャンネル取締役兼務)だった(いずれも現在は役職を辞任)。

 正剛氏は菅首相が総務大臣だった時、大臣秘書官に抜擢された。その後、霞が関から東北新社へと転職している。

 衛星放送は総務省の許認可事業だ。総務省は東北新社の子会社である「株式会社東北新社メディアサービス」「株式会社スター・チャンネル」「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、放送法に基づく衛星基幹放送の業務認定を受けている会社であることを認めている。会食にはこれらの会社の役員が複数参加しており、東北新社側が衛星放送事業を有利に進める目的で、総務官僚に接近したことが分かる。

 まさにその認定を行う情報流通行政局の秋本芳徳局長(当時)や衛星・地域放送課長は言うまでもないが、事実上の総務省ナンバー2だった谷脇康彦・総務審議官ら他の幹部にとっても、東北新社が「利害関係者」にあたる疑いがあることは明らかだ。国家公務員倫理規程違反の疑いがあるにもかかわらず、幹部たちが会食に参加した理由が正剛氏の存在だったことは想像に難くない。

■身内による調査に疑問

 利害関係者による接待への参加は、表向きには禁止されているが、霞が関では日常的に行われているのが実態だ。このリストを見た別の総務官僚は、その人選や店選びを含め、霞が関の慣習にのっとった実によく出来た接待だと語る。

「課長クラスで客単価1万円前後の居酒屋。局長級で客単価2万円、個室のある高級レストラン、次官級で客単価4万円以上の高級料亭。それにお土産と帰りのタクシーチケット。まさに接待のお手本となるようなリストですね。そもそも次官級官僚と定期的に飯を食う関係を作るには、間を取り持つ人物が接待をする側の会社の内部にいないと成立しない。正剛氏はまさに適任だったのでしょう」

 2月24日、総務省は一連の飲み食いを利害関係者からの違法接待と認めた。一方、この一連の接待によって総務行政が歪められた事実はないとし、次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官を減給10分の2(3カ月)の懲戒とするなど、計11人を処分した。

 ところが、この調査が結論ありきのずさんな調査だった疑いが翌25日浮上する。衆議院予算委員会での今井雅人議員(立憲民主党)による質疑で、この調査に入った弁護士が総務省の職員(非常勤の公務員)だったことが判明したのだ。

 外部ではなく総務省に雇われている身内が、身内の不祥事を調査して「問題なし」と報告する。答えに窮した武田良太総務大臣は「弁護士さんは弁護士さんだと思う」と発言し、議場は騒然となった。この問題を一日も早く幕引きにしたい菅政権の思惑が垣間見られる。

 ある自民党幹部は菅首相の胸の内をこう代弁する。

「とにかく調査報告が出る前に、何らかの処分を先に発表する。その上で調査内容については、徹底的に小出しにする。発表された報告書をよく見ると『令和3年2月22日時点で確認できた事実関係』と書かれていて、本当はもっとあるのかもしれない。菅さんにしてみれば、自身の長男が関わる不祥事が、安倍晋三前首相の妻、昭恵さんが引き起こした不祥事と同じような印象を国民に与えることだけは避けたいと思っている。予算委員会は6月まで続くので、逃げ切りを図るにも難しい」

■側近が受けた豪華饗応

 総務省が出したリストには載っていなかった接待がある。その額は、全体でもダントツの7万4203円。総額ではなく、1人あたりの金額だ。接待を受けたのは、当時総務審議官で、内閣広報官として菅首相の側近を務めてきた山田真貴子氏だ。形式上総務省を外れているため、別建ての発表となった。

 山田氏と、前出の谷脇氏は当時、同じ総務審議官。しかも2人は同期入省組で旧郵政省出身という共通点がある。菅首相に近い自民党議員はこう証言する。

「谷脇氏は菅政権肝煎りの携帯電話料金値下げ事業のキーパーソン。山田氏は内閣広報官として菅首相の記者会見を矢面に立って差配する。2人とも菅首相にとっては頼りがいのある優秀な人材ですよ」

 山田氏は25日の衆院予算委で会食を認め謝罪したが、正剛氏が同席していたかや会話の内容は「記憶にない」とはぐらかした。総務政務官の経験がある国会議員は、かつて部下だった山田氏を「実務をこなせる優秀なキャリア人材。行き届いた気配りに長けた人物」と評する。

 しかし、その「行き届いた気配り」は、時に「行きすぎ」となる。山田氏は菅首相がNHK番組に出演した際、学術会議問題に関しキャスターが想定にない質問をしつこく重ねたことを問題視し、NHKに抗議の電話をかけたとも言われている。また、総務省時代、これから社会人となる若者へのメッセージの中で「飲み会を断ったら二度と誘われない。私は飲み会を断らない女です」と発言していたことも話題をさらった。

 国会に参考人として出席し、陳謝した山田氏に、野党は一斉に広報官の辞任を要求。共産党の志位和夫委員長は25日の会見で「広報官は首相会見を運営する。記者から(自身の問題を)問われ『もう時間だから』と打ち切るつもりか」と批判した。

■「女性として」にも反発

 しかし菅首相は「本人は深く反省し、おわび申し上げている。やはり女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と続投を明言。山田氏が月給の6割にあたる70万円を自主返納することで幕引きを図ろうとしたが、沸き上がる世論の反発に抗しきれず、3月1日の閣議で辞任が決まった。前出の自民党議員は、追い込まれるまで山田氏の更迭を決断できなかったことが後々命取りになるのではと危惧する。

「自主返納だけでこの問題を済ませ、広報官を続投させようとした。『首相は自らの意に沿わない官僚には人事を振りかざし更迭させるが、長男(正剛氏)や山田氏ら身内には甘い』との批判がいつまでも噴出し続ける」

 また菅首相が続投の理由として「女性」を持ち出したことにも世論は反発。結果的に山田氏が辞任に追い込まれたあとも予算委員会での追及は終わる気配がなく、政権への深刻なダメージとなるのは必至だ。(編集部・中原一歩)

※AERA 2021年3月8日号

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マグロを扱うプロの職人が「最後に行き着くマグロ」とは? 本マグロじゃないんです

2021年3月1日 19:00 AERA

 先週、中トロと大トロの境界線はどこか、というお話を書いたところ、多くの方から「マグロは部位以外にも、魚種の違いによって値段も味も変わってくる」とか「天然か養殖かも味に影響する」といったコメントをいただきました。

 そこで今回は、魚種や育ち方の違いについてです。

 皆さんご存じの通り、マグロの代表選手といえば「クロマグロ(本マグロ)」ですよね。北半球の中緯度から高緯度の限られた海域にしか生息せず、大きさが最大で300キロ以上になることから、脂乗りもよく、やや酸味のある赤身の深い味わいも人気の魚種です。


 世界の全マグロの漁獲量の2%程度しか取れないこともあり、値段も一番高くなっています。

 そして実はクロマグロに匹敵するのが、南半球の中緯度から高緯度に生息する「インドマグロ(ミナミマグロ)」です。濃厚な旨みが強い赤身が特徴で、トロについても、クロマグロほど濃厚ではなく、どちらかというと上品で口溶けのよい脂です。こうした特徴から、クロマグロよりインドマグロの方が好きという方もいるようです。

 マグロを扱う職人さんが最後にたどり着くのはインドマグロ、と言われることもあり、玄人ウケのするマグロといったところでしょうか。

 その他、関西では非常にポピュラーなのが「キハダマグロ」です。背びれや尾びれが黄色いのが特徴で、その身はクロマグロなどに比べるとややあっさりしています。赤身もややピンク色がかっていて、脂肪分が少なく味もあっさりめなので、関西の人に人気なんでしょうか。

 また最大でも60キロ程度と比較的小型の「ビンナガマグロ」は、脂が少なく身も柔らかいことから、欧米などでは主にツナ缶の材料として活用されています。ただ、高緯度で取れた魚体の脂身の部分は、比較的すっきりとした味わいの脂身で、回転寿司チェーンが「ビントロ」として売り出したところ、今では手軽に食べられるトロということで、人気のメニューです。


 そして大きな目が特徴的な「メバチマグロ」は、赤身の旨みが強く人気の魚種で、スーパーなどでもよく売られています。クロマグロの脂のりが良くない夏場でも比較的よく脂が乗っていることから、夏場はメバチマグロの方が旨いというファンもいます。

 余談になりますが、「マグロ」の呼び名の由来については、目が真っ黒だからとか、赤身を放置しておくと黒くなってしまうから、泳いでいる姿を上から見ると黒く見えるからなど、いくつかの説があります。いずれにしても、「真っ黒」が変化して「マグロ」になったということのようですね。

 また、数年前にクロマグロの完全養殖成功が大きなニュースになっていましたが、マグロの養殖は日本各地で行われています。最も多いのは、捕獲したクロマグロを一定の期間、いけすに入れて脂のりをよくして出荷する「蓄養」というやり方です。

 外洋を泳いで鍛えられた赤身の外側にたっぷりの脂が乗った、とてもおいしいマグロを作ることができると言われています。

 このように同じマグロでも、部位だけでなく、魚種や育ち方によってさまざまな特徴があり、それぞれに味わいが変わります。さらに熟成することで、マグロ本来の旨みを一層引き立たせることもできます。

 ぜひ皆さん自身の舌で、他の人とは違う、自分好みのマグロを見つけてみてはいかがでしょうか?

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。著書に『お魚とお寿司のナイショ話』

※AERAオンライン限定記事

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“打ち出の小づち”サセックス公爵称号剥奪の危機 ヘンリー王子とメーガンさんの「王室すり寄り」

2021年2月26日 19:01 AERA

 ヘンリー王子とメーガンさんの英王室離脱発表から1年以上が経った。3月末に条件見直しが予定されているが、そんななかで目立つのが夫妻の「王室すり寄り」。メーガンさんの第2子妊娠も発表され、夫妻の今後に注目が集まる。AERA 2021年3月1日号から。

*  *  *
 ヘンリー王子(36)とメーガンさん(39)がイギリス王室離脱を公表してから、1年以上が経った。昨年1月にエリザベス女王(94)が主催した会議により、王室離脱後12カ月間は移行期間とし、期間終了後には諸条件を見直すことになっている。その移行期間が3月末に終了を迎える。

 夫妻は現在、米国カリフォルニア州に暮らしているが、その日が近づくにつれて目立ってきたのが、英王室への「すり寄り」だ。1月9日はキャサリン妃の39歳の誕生日だったが、メーガンさんは妃宛てにカードを添えたプレゼントを贈っている。以前から、メーガンさんはキャサリン妃へのライバル意識が強かった。すべてにおいて「2番手」と位置付けられるのを不公平と捉えていたのだと言われている。暴露本『自由を求めて』は、ヘンリー王子夫妻へのインタビューを元に書かれたとされているが(夫妻は協力を否定)、この中でメーガンさんはキャサリン妃を「冷淡な人」として語っている。ヘンリー王子夫妻が昨年王室離脱を発表した1月8日は、キャサリン妃の誕生日の前日だった。こうした振る舞いが続いただけに、アメリカからわざわざ贈り物を届けたことに対して、いぶかしむ声が上がった。

 一方ヘンリー王子は、アーチー君(1)はエリザベス女王とのオンライン電話が大好きと話す。女王も、ひ孫の愛らしい成長ぶりに笑顔を見せると強調する。さらに兄ウィリアム王子(38)とヘンリー王子は深刻な確執がささやかれていたが、現在は時々電話などで話すと、これまた和解をにおわせる。


 しかしこうした仲良しぶりを出してくるのは、ヘンリー王子夫妻側からばかりで、王室からは夫妻との親密な関係を示唆するニュースは聞こえてこない。昨年11月、メーガンさんが第2子流産を生々しくつづったエッセイがニューヨーク・タイムズに掲載されたが、女王は完全スルーだった。

 ヘンリー王子とメーガンさんが英王室との親しさをアピールするのは、この度の見直しで、サセックス公爵と公爵夫人の称号が剥奪される可能性が出てきたからだ。2人は王室離脱後、カナダのバンクーバーからカリフォルニア州に飛び、現在は同州サンタバーバラの約15億円といわれる豪邸にアーチー君と暮らしている。アメリカの動画配信サービス会社、ネットフリックスとは100億円超えの大型契約を結び、スウェーデンの音楽ストリーミングサービス、スポティファイとは、約40億円の契約をした。ヘンリー王子が母ダイアナさんを亡くした後の精神的ダメージを話した講演料は、少なくとも5千万円といわれている。

 経済的に成功を収めたのだろうが、それはサセックス公爵と公爵夫人のタイトルを存分に使用したことが大きな理由とされる。チャンスが与えられたのは、2人が公爵(夫人)の称号を持つからこそというのが大半の見方だ。イギリス貴族の称号は、途方もない利益を生み出す「打ち出の小づち」なのである。

 その一方で、英王室に後ろ足で砂をかけるような言動も目立つ。王子は、イギリスと旧植民地からなる英連邦の若者を支援する慈善団体主催の会議で、「イギリスは過去の過ちを認めるべきだ」と発言したが、少なくとも英王室の「王子」である人物の言葉ではないとイギリス国民から批判された。また、メーガンさんはアメリカ大統領選挙前に、「今こそ“変化”が必要だ」「ヘイトスピーチを拒否しよう」と力説した。トランプ大統領(当時)ではなく、バイデン候補(当時)への投票を勧めたのだ。この発言に対し、アメリカの下院議員(共和党)が駐米イギリス大使宛てに、抗議の公式書簡を送付。それは、称号剥奪を要求する厳しい内容だった。

 選挙への介入は、政治的ニュートラルを貫く王室のあり方に反する。イギリスの新聞「デイリー・エクスプレス」は、今年1月2日に2人の称号剥奪を問うアンケート調査をし、約2万6千人から回答を得た。その92%にあたる人が「YES(剥奪すべき)」だった。公務をしないで外国に住み、王室の名前を使って荒稼ぎをする2人に対して怒りを覚えるイギリス国民も少なくない。

 英王室は、昨年12月にウィンザー城でシニア・ロイヤルが勢揃いする珍しい機会をもった。エリザベス女王を真ん中に、チャールズ皇太子夫妻、ウィリアム王子夫妻、そしてアン王女が並んだ。目を引いたのは、そこに女王の三男エドワード王子(56)と民間出身のソフィー妃(56)が顔をそろえたことだった。女王の子ども4人のうち、離婚していない唯一のカップルだ。コロナ禍でソフィー妃の、医療従事者に食事を用意する活動は高く評価されていた。女王は週末に一家を訪ね、お茶の時間をもつ。女王は控えめで誠実なソフィー妃がお気に入りだ。


 離脱したヘンリー王子とメーガンさん、未成年買春疑惑で引退した次男アンドルー王子(61)、それに高齢を理由に引退したフィリップ殿下(99)と、このところ立て続けに王室メンバーの数が減少している。公務を担うロイヤルの人手不足が心配されていた。

 エドワード王子夫妻は国民から信頼が寄せられていたから、夫妻をグレードアップして重要な公務を担ってもらうという女王の賢明な“人事”に称賛が集まった。開いた穴はたちどころに埋められたのである。むしろ「やっとソフィー妃の時代が来た」と歓迎する声が上がった。

 コロナの状況次第ではあるが、6月にイギリスでG7サミットが開かれる予定だ。それに先立ち、女王はバイデン米大統領など世界の指導者をバッキンガム宮殿に招待する。キャサリン妃と共にソフィー妃の活躍が今から期待されている。ヘンリー王子とメーガンさんには王室が必要だが、王室は次の手をすでに打ち、公務を滞りなく続行させる準備を着々と整えているのだ。

 そこに飛び込んできたのが、メーガンさんの第2子妊娠のニュースだ。今年のバレンタインデーに発表された白黒写真では、自宅の広大な庭でヘンリー王子の膝に頭をのせて寝そべるメーガンさんのおなかが、ふっくらしている。出産予定日などは明らかにしていないが、性別に関係なく赤ちゃんの王位継承順位は、アーチー君に次ぐ第8位となる。これは王室が称号剥奪を思いとどまる切り札となるだろうか。

 女王にとって、ヘンリー王子はかわいい孫息子には違いない。離脱の際も「愛する家族であることにはなんら変わりがない」と語り掛けた。2人の切望する公爵(夫人)の称号を維持させるのか、国民の声を反映して剥奪に踏み切るのか。4月に95歳を迎える女王の決断に注目が集まる。(ジャーナリスト・多賀幹子)

※AERA 2021年3月1日号

【佳子さま バッシングに反論、プライバシーも線引き 次男家の次女が前例を超えていく】

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