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「中学受験、本当にやって良かったと思います」
「私には受験の経験がないので具体的なアドバイスはできませんでしたが、主人と息子が話すのをそばで必ず聞いていました。中学受験だとまだまだ子どもとはいえ、決めるのは本人。なぜその学校を受けるのか。なぜ受けないのか。『大維志これどう思う?』と細かいところまでちゃんと意見を聞くようにしていましたし、息子もそのやりとりを通じて、何事も自分の考えで納得して行動するようになりました。成長が母親として本当に嬉しかったし、話し合うことで家族の絆も深まりました」
「もともと合格した私立は力試しで、入学したいという強い気持ちはなかったんです」
「後々まで挫折感を持たせないために『合格で受験を終わらせてあげたい』という親心があったと思います。加えて、中高一貫だと大維志の場合、気が緩んで遊んでしまい大学受験で苦労するかも、という思いもありました」
「定期テストがないなど、生徒自身の責任に任せてのびのびと育てる自由な校風が最大の理由でした。それでいて、学力の高い生徒さんが多い。『これは大維志に向いてるね!』となり、入学することにしたんです」
「まずは高校受験。本人は公立高を志望しています。『東大に行くんだ』なんて言ってますが、言うのは簡単(笑)。でも目標は高く持つくらいがちょうどいいですからね」
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2021年3月8日号
【「中学受験の失敗は親が作る」と専門家 “全落ち”したときにかけるべき言葉とは】