近年、ラファエル シルバやマウリシオ、レオナルドなど、ブラジル人選手が多かった印象の浦和レッズだが、現在はスペイン人のリカルド ロドリゲス監督をはじめ、デンマーク人のキャスパー ユンカーとアレクサンダー ショルツ、スウェーデン人のダヴィド モーベルグ、オランダ人のアレックス シャルクと、チーム内のヨーロッパ色が強まっている。
そんな“欧州の輪”の中に、果敢に飛び込んでいく選手がいる。
今やチーム一のムードメーカーとして知られる平野佑一だ。
その際、通訳を介すことはほとんどない。なぜなら、平野にとって英語で彼らと直接コミュニケーションを取ることに大きな意味があるからだ。
「めちゃめちゃ話しかけに行きます。"無料学校"だと思っているので、会話しないともったいないじゃないですか。最低限の語学力はあるので、伝えたいことを伝えて、分からない表現があったら、その場で教えてもらうという感じ。逆に、彼らに日本語を教えることもありますよ」
現在、レッズに在籍する外国籍選手たちは、日本語の習得にとても熱心だという。
「彼らも日本語をすごく勉強しているんです。無料の語学教育アプリをみんながダウンロードしていて、進み具合を競い合っている。そのアプリには英語、日本語、スペイン語、フランス語……って何ヶ国語もあって、彼らは日本語版、僕は英語版をやっています」
聞いたところによると、「読む」、「聞く」、「書く」、「話す」の4つの能力が伸ばせるアプリだそう。ゲーム感覚で楽しく学習できるなど、モチベーションを保つ仕組みが人気を呼んでいるようだ。
ヒアリング力を鍛えるため、平野なりの工夫もある。
例えば、ミーティングでは外国籍選手の近くに座り、松下イゴール通訳がどんな英語で彼らに伝えるのか、聞き耳を立てるのだ。
「でも、戦術的な話とか、専門的な話になると難しくて、何を言っているのか分からないときもあります。そうしたら、あとでイゴさんにこっそり教えてもらったりして」
もちろん、家庭教師を雇ったり、英会話学校に通ったりすることは、語学力を身につけるうえで有効な手段だ。ただ、意識ひとつで練習場やクラブハウスも"生の英語"を学べる場になり得ることを、平野は教えてくれる。
今回の『浦和レッズニュース』の動画や、近日公開のYouTubeの『浦和レッズ公式チャンネル』で、平野がキャスパーとショレに日本語を教えているが、そのうち、平野がキャスパーやショレと英語で会話を楽しむ様子も、公開されるかもしれない!?
(取材・文/飯尾篤史)
外部リンク