「レッズランドは2005年7月にオープンしたのですが、その根本にはJリーグ百年構想にあるように『スポーツで、もっと、幸せな国へ』という理念があります。浦和レッズが主動となり、地域の方たちに気軽にスポーツを楽しんでもらえる場所を提供したいという思いからスタートしているんです」
「レッズランドに戻ってくると、土日祝日は他の都県からの利用者でキャンセル待ちが出るほど、多くの人たちに利用してもらえる施設になっていました。一方で、地域の人たちにはなかなか利用してもらえていない現状がありました。というのも、『サッカーのまち、浦和』と言われているように、この地域は公共のサッカーグラウンドがたくさんある。施設使用料にそこまで費用をかけずとも、サッカーを楽しめる環境が整っているんです。
「やはり浦和レッズの根幹は、ファン・サポーターとクラブが共に創り出す熱気あふれる雰囲気のなか、そこで選手たちが躍動し、共に本気で勝利を求めるスタジアムにあります。そのためにもスタジアムに関わるものに投資しなければいけない。
「レッズランドに戻ってきたときに、自分のなかでレッズランドが目指す理想があって、それを実現させるために『育みパートナー』をはじめました。もともと僕は、浦和でサッカー人生をスタートさせ、サッカーによってたくさんの人との出会いがあり、恩師や仲間そして家族といった、多くの人に物凄く支えてもらって今の自分がある。
「育みパートナー」について小尾さんが説明する。
「『育みパートナー』は、協賛してもらうことが目的ではなく、地域の未来を育むために全力で行動できる仲間(パートナー)作りをするものです。レッズランドに看板を掲出するなどの特典はありますが、何より一番大切にしたいもの、それは一緒に考え、動いて、街全体を支える活動を共に実現にしていくことです」
『育みパートナー』のキックオフイベントとして開催する「レッズランドキッズフェスタ」は、先着100組で、子どもは無料というイベントはすでに受付がスタート。「子どもたちを笑顔にしたい」(小尾さん)という思いから、イベントの詳細は当日まで秘密、いや内緒だという。
「朝から夕方まで、子どもたちには普段はできないようなことを思いっ切り、のびのびと楽しんでもらえるコンテンツを用意しています。いつか振り返ったとき、あの日は楽しかったなと思ってもらえるような思い出を作りたい。
「街全体で子どもたちを支えるような温かいイベントにできたらいい。それによって地域の人たちに気軽にレッズランドに足を運んでもらい、そこからまたつながりができて、ホームタウンである浦和の街が盛り上がればうれしいなと」
「レッズランドキッズフェスタ」を契機に、地域のサッカー大会、幼稚園・保育園や小中学校のイベント、農作業など、レッズランドでできるさまざまな活動を、“地域の人々ともに”展開していきたいと小尾さんは夢を語ってくれた。
「育みパートナー」はスタートしたばかり。アイデアも可能性も無限に広がっている。その先には——。
「いつかひとつの公園のように、学校が終わったら、子どもたちがレッズランドに集まり、サッカーだけでなく、さまざまな経験をする場になればいいなと。あとは、地域の皆さんが、何か企画をしたくなったときに、とりあえずレッズランドに相談してみようと思われる場所になったらと思っています」
「これからレッズランドに遊びに行ってくるね!」
※埼玉工業株式会社、埼玉田中電気株式会社、日清建設株式会社、社会福祉法人まあれ愛恵会、一般社団法人さいたま市私立保育園連絡協議会、株式会社ナグラ興産、医療法人社団松弘会三愛病院、株式会社サイオー
(取材・文/原田大輔)