「サッカーでは味方が11人、相手が11人と、合計22人の選手がピッチに立っていますが、それぞれが特殊な能力を持っていると思います。そのなかで自分にとってドリブルこそが、他と違いを作り出す武器だと思っています」
「僕は世界のトッププレーヤーではないかもしれませんが、この武器があったから、今、こうして浦和レッズという素晴らしいクラブでプレーすることができている。すべてはドリブルのおかげですよね」
「子どものころに参考にしたドリブラーを挙げればキリがありません(笑)。特にクリスティアーノ・ロナウドの若い頃のプレーは参考にしていました。他にも(リオネル)メッシ、ロナウジーニョ、(リヤド)マフレズ……彼らがドリブルしている映像を見ては、よくマネをしていました。ただし、彼らのプレーを参考にしつつも、自分が成長するにつれて、次第に自分の"色"を加えてきたように思います」
「ドリブルの技術を向上させるには、毎日のようにボールに触れ、ドリブルすることが大事です。それだけではなく、チームの練習や試合の中で試み、使えるようにすることがさらに重要になります。もしかしたら若い選手たちの中には、指導者から足りない部分を伸ばすように指摘されたり、欠けている部分を強化するように言われたりすることもあるかもしれません。
「ドリブルが得意だからといって、それだけをやればいいということではありません。それをいつ、どこで出すのか、使うのか。試合の流れを読み、戦術眼を養うことが向上につながっていく」
「自分がドリブルをすることによって、自分自身が活きるだけでなく、チームメートにスペースを与えることもできる。だから、多用するのではなく、いつドリブルするのかというタイミングを見計らう必要がある。クレバーにプレーすることで、初めて武器は武器になるんです」
(取材・文/原田大輔)