SNS(交流サイト)で著名人をかたってだます投資詐欺が急増していることを受け、県警は23日、松本市出身のフリージャーナリスト池上彰さん(73)が注意を促す動画の配信を始めた。池上さんの名前や画像が詐欺広告に悪用されていることから、被害の防止に役立てようと協力を依頼。池上さんは動画内で悪用について「許せない」と憤り、「もうけ話には裏がある」と警戒を呼びかけている。
投資名目の詐欺と副業名目の詐欺について、池上さんがそれぞれ2分余りで注意を促す動画を制作。県警公式のX(旧ツイッター)やユーチューブで配信している。
動画「投資名目の詐欺に気をつけて編」では、広告を閲覧した人をLINE(ライン)のグループに招待し、もうけ話をかたって入金させる手口を紹介している。もう一つの「副業名目の詐欺に気をつけて編」では、簡単な作業をすると最初のうちは報酬が振り込まれ、「お金を振り込めばもっと稼げる」と乗せられて大金をだまし取られる―と解説。「楽して稼げる副業なんてありません」と強調している。
県警によると、今年1~3月にSNSを介して架空の投資話を持ちかけたり、恋愛感情を抱かせたりしてだます詐欺は34件発生。被害額は計4億7800万円に達する。このうち投資名目の詐欺3件は池上さんを広告に悪用した手口だった。
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