八ケ岳山麓産ドングリの粉を混ぜた生地で国宝土偶を模した「土偶パン」を作る親子向けの催しが、茅野内のゆいわーく茅野で開かれた。八ケ岳山麓で栄えた縄文文化の魅力を発信する有志グループ「縄文どんぐりカフェ」の主催。参加者は土偶パンが焼き上がると、出来たてをおいしそうに頬張った。
この日は2回のパン作り体験があり、合わせて12人が参加した。まず有志グループが昨年刊行した絵本「2つの国宝土偶と黒曜石」を読み、市内で出土した国宝土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」の造形などに触れてから、パン作りに取りかかった。
参加した親子らは、国宝土偶のレプリカを参考に、有志グループが用意した生地でパンの原型を形成。腹部や脚部の膨らみを表現したり、クルミをトッピングしたりした。その後、発酵させて焼き上げると、ふっくらと膨らんだ土偶パンが出来上がった。
母親と参加した茅野市豊平小学校2年の宮坂真叶(まなと)君(8)は「仮面の女神」をモチーフにしたパン作りに取り組んだ。膨らみのある腹部に渦巻き状の模様があり「おなか(の表現が)難しかった。膨らんでるから」と話し、パンが焼き上がると、おいそうにかじりついた。
パン生地に混ぜたドングリは有志グループのメンバーが縄文人に思いをはせて市内で採取。代表の鵜飼恭子さん(66)は「縄文時代の人が土偶に込めた『元気でいられますように、毎日食べられますように、繁栄しますように』といった願いを、パン作りを通して感じてほしい」と期待していた。
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