生坂村地域おこし協力隊員の男女3人が、村の名物「灰焼きおやき」の手作りに挑んでいる。村営温泉宿泊施設「やまなみ荘」で販売するおやきを作っていた人が昨夏に退任したため、後継者を求める村の依頼を受けて昨年10月から練習を開始。4月以降にやまなみ荘で売り出す予定で、3人は伝統食で地域を盛り上げたいと意気込んでいる。
灰焼きおやきは、生地の中に野菜をいっぱいに詰め、灰の中で蒸し焼きにして作る。隊員の杉浦陸斗さん(28)、苑生(そのみ)さん(27)夫妻と、星満さん(28)が、やまなみ荘の近くにあるおやきの製造体験施設だった建物を活用し、試作に励んでいる。
3人は村内の住民団体「生坂こなもん倶楽部」会員の指導を受けて、生地の練り方や焼き方のこつなどを学び、試行錯誤を重ねてきた。苑生さんは「野菜の水分が多くて包み方が難しく、切り方などを工夫した」と話す。星さんは「灰で焼いたからこそ出る魅力の香りを楽しんでほしい」とアピールする。
同倶楽部事務局の平林敏生さん(80)は「私たちも村のおばあちゃんから作り方を教わってきた。技術を引き継いでくれるのはうれしい」。陸斗さんは「マツタケなど今までにない味に挑戦したり、訪れた人が製造を体験できるようにしたりしてみたい」と今後を見据えている。
外部リンク