現地時間で2023年2月5日、ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナにて「第65回 グラミー賞」が開催された。今回のグラミー賞では、昨年アルバム『Renaissance』をリリースしたビヨンセが4部門で受賞を決め、これにより累計獲得数が32となり、歴代最多記録を更新する快挙となった。
ノミネートの有無や受賞の有無にかかわらず、グラミー賞と言えば音楽業界で活躍するアーティストや技術者たちを称える“祭典”であるが、中には受賞結果に納得がいかず、本音を漏らしてしまうファンも多い。
今年の「年間最優秀アルバム賞」には、大ベテランのABBAを始め、アデル、バッド・バニー、ビヨンセ、メアリー・J. ブライジ、ブランディ・カーライル、コールドプレイ、ケンドリック・ラマー、リゾ、そしてハリー・スタイルズと、大物たちが候補者として名を連ねた。
まさに誰が受賞してもおかしくないようなメンツの中で、結果、ハリー・スタイルズの『Harry's House』が見事同賞を受賞した。
ハリーの名前が呼ばれると、会場に集まった人々は立ち上がり、ハリーに声援を送る。しかし中には、ハリーが「年間最優秀アルバム賞」を受賞したことに納得がいかず、「ビヨンセ!」、「ビヨンセがとるべきだった!」と、観客席から“やじ”を飛ばしたファンがいたのだ。
TikTok上には、やじを飛ばした本人が録画した動画が公開されている(上記画像は、その投稿をハリーのファンアカウントがシェアしたもの)。
そして、ハリーが受賞スピーチを披露する場面を収めたTikTok動画の中でも、この「ビヨンセ!」、「ビヨンセがとるべきだった!」というやじをはっきりと聞き取ることができる。
こうしたやじが飛び交っていることに気付いたのか、観客席にいたテイラー・スウィフトは、他の人々が着席した後もずっとその場に立ち続け、ハリーをサポートする姿勢を見せたのだった。
というのも、テイラーは2009年の「Video Music Awards」(以下 VMA)で、今回のハリーと同様の経験をしたことがある。
テイラーはこのVMAで、自身の楽曲「You Belong with Me」で「最優秀女性ビデオ賞」を獲得した。テイラーはステージに上がり受賞スピーチを披露したのだが、受賞結果に不満を抱いていたカニエ・ウェストが、呼ばれてもいないのにステージへと上がると、テイラーの手からマイクを取り上げ、「最優秀女性ビデオ賞はビヨンセが受賞するべきだった」と抗議したのだ。
奇しくも、今回のグラミー賞もまた、ビヨンセの受賞を望んでいた人からやじが飛んだ。誰よりもその辛さを知っているテイラーは、ハリーのことをサポートせずにはいられなかったのだろう。
世間の人々からは、言わずもがな、やじを飛ばした人に対し非難が寄せられている。
MTV NEWS