カニエ・ウェストが、自身が設立した教育機関「Donda Academy」の運営内容をめぐり、同校でかつて教員を務めていた女性に訴えられていることが分かった。
カニエは、2021年9月に発売したアルバム『DONDA』から名前を取った、新たな教育機関「Donda Academy」を2022年に設立した。同校は米カリフォルニア州のシミバレーにあり、カニエ曰く、「“信仰と未来のイノベーションが交差する領域を見出す”ための学校であり、教育によって”変化し続ける世界に適応できる人材”を育てること」を目的としている。
そんなアカデミーで元教員を務めていたセシリア・ヘイリー氏は今回、人種差別と不当解雇を理由にカニエと役員たちを訴えた。
ヘイリー氏は、同校では、黒人の歴史に関する本が禁止され、また子どもたちは給食に寿司しか与えられず、いつもお腹を空かせた状態でいたと主張している。
年間で15,000ドル(約200万円)の授業料を徴収しているこの私立のキリスト教学校についてヘイリー氏は、Page Six誌に対し、次のように語っている。
「現在学校には、35人から40人の生徒が在籍しています」「カニエは、黒人の歴史をテーマにした多くの本について、教育に取り入れたくないと思っているようです」
「(マーク・ビックスラー著の)『The Lost Boys of Sudan(原題)』という名の本があるのですが、本の中で登場人物の親が銃で撃たれて亡くなるシーンが問題視され、この本を読むのは禁止となりました。だけど、子どもたちは『ハリー・ポッター』を読むことは許されているんです、あの本でも殺人事件は起きているのに」
「カニエは、歴史を教えることに関心がないんだと、私も人から聞きました」
またヘイリー氏は、寿司しか提供されないという給食についても、次のように語っている。
「朝食はありません。幼い子どもたちは毎日、生魚ときゅうりの巻きずしだけを与えられるんです。多くの子どもたちが寿司を嫌っていますが、食べるものはそれしかないんです」
「栄養満点の食事とは言えません。国が決めたガイドラインがあるにもかかわらず、誰も改善しようとしない。失礼どころか、残酷だと私は思いました」
さらにヘイリー氏は、管理者が行動上の問題や無秩序に苦労した結果、生徒が適切な教育を受けていないと主張している。
「生徒たちは常に変化を押し付けられ、先生たちも常に変わりました。3年間で校長先生は10回も変わっていて、私が教えた3学年も、先生がコロコロ変わり私は4人目だか5人目でした」
「カニエはきっと、自分の子どもをDondaに通わせたりしないと思いますよ、絶対に…ただの高級なデイサービスのようなところですから」
MTV NEWS