現地時間で24日、米連邦最高裁判所は、中絶を合衆国憲法が認める権利と位置づけた1973年の「ロー対ウェード判決」を無効とする判断を示した。これにより全米統一のルールがなくなり、中絶の是非は各州に委ねられ、中絶の禁止や制限が行われることとなる。
今回の最高裁の判決を受け、多くのセレブたちがSNS上で個人の意見や感想を述べている。
故ポール・ウォーカーの娘でモデルのメドウ・ウォーカーは、2020年に中絶手術を受けていたことを明かした。(全文)
「今日、歴史における大きな後退が刻まれた。これは、全米の女性に対する深刻な不公正を意味する。中絶をする決断に悩んだ女性は、数え切れないほどいる。私も、2020年、パンデミックで世界が崩壊したときにその選択と闘い、中絶を決めた」
「中絶はとてもプライベートで私的な経験––そうであるべきだし。幸運にも私には、心も体も疲れ果ててしまうような過程を通して、ずっと支えてくれた素晴らしい医師がいてくれた。彼らの助けのお陰で、今日の私は幸せで、健康でいられる」
「今、さらに多くの女子たちが安全な解決策を求められず、自分の体を第一に選択する機会を得られないと知って、本当に胸が張り裂けそう。女性が常に疎外される世界において、これは最大の攻撃であるように感じられる」
「中絶を禁止することは、中絶を阻止することではなく、安全な中絶を妨げることを意味する」
またシンガーのオリヴィア・ロドリゴは、25日にイギリスで開催された「グラストンベリー・フェスティバル」にて、リリー・アレンのヒット曲「Fuck You」を歌い最高裁の判決に抗議。
同じくシンガーのピンクは、自身のツイッター上に次のように投稿し、中絶禁止法を支持するファンとの決別を宣言したのだった。
「はっきりさせようじゃないの。政府が女性の子宮や同性愛者の人生・結婚に介入したり、人種差別を容認したりするのは問題ないと思うのなら…あんたの神の名において、二度と私の音楽を聴かないで。そして消え失せろ。いい?」
Let’s be clear: if you believe the government belongs in a woman’s uterus, a gay persons business or marriage, or that racism is okay- THEN PLEASE IN THE NAME OF YOUR LORD NEVER FUCKING LISTEN TO MY MUSIC AGAIN. AND ALSO FUCK RIGHT OFF. We good?
— P!nk (@Pink) June 25, 2022
アメリカの13の州ではすでに、最高裁が「ロー対ウェード判決」を覆せば自動的に中絶を禁止とする、いわゆるトリガー法が成立していた。そのうちケンタッキー、ルイジアナ、アーカンソー、サウスダコタ、ミズーリ、オクラホマ、アラバマの各州では、最高裁判決を受けて中絶禁止法が施行された。
今後ほかの多くの州でも、こうした法律が成立するとみられている。
MTV NEWS