2021年に導入されたシティコネクトユニフォーム。本拠地を置く地域の文化や特色をモチーフとしており、一つひとつのデザインに注目すると、チームと地域のつながりや歴史を感じられる。第4回は、142年の球団の歴史で初めて、ベースに赤を採用したカージナルスのユニフォームを紹介しよう。
第3話:カナダ・トロントの誇りを胸に
鮮やかな赤が目を引くカージナルスのシティコネクトユニフォーム。最も特徴的なのは、バットの上にノーザンカーディナル(ショウジョウコウカンチョウ)がとまったおなじみのイラストと、“The Lou”の文字だろう。“The Lou”は、セントルイス出身の有名ラッパー・ネリーのファーストシングル『Country Grammar』の一節“I’m from the Lou, and I’m proud.”が由来となっているセントルイスの愛称。ラーズ・ヌートバーは、このユニフォームで特に気に入っているポイントとして“The Lou”の文字を挙げていた。
ユニフォームのピンストライプ柄は、セントルイスがミズーリ川とミシシッピ川の合流地点に位置することから、川の流れのような波打った形に。ピンストライプがユニフォームに使われたのは、1929年以来95年ぶりとのことだ。
袖のワッペンのロゴは、二つのセントルイスのシンボルが組み合わさったもの。一つは、地名の由来となっているフランス元国王ルイ9世の時代の象徴「フルール・ド・リス」。もう一つは、近年の街のシンボルとなっているゲートウェイ・アーチで、それぞれへの敬意を表している。
また、ユニフォームの襟の内側にはヴィンテージなデザインの“1882”ロゴが施されている。カージナルスの前身であるフランチャイズ球団「セントルイス・ブラウンストッキングス」の創設を記念したものだ。
そして、キャップに施されたチーム略称“STL”のフォントは、前述のバットと鳥のロゴが誕生する前の1920〜1921年に使用されていた字体を採用。ユニフォームの裾に記された“ST.LOUIS CARDINALS”も同様のフォントを使用している。
初着用日となった5月25日のカブス戦、ヌートバーは8回裏に適時三塁打を放つなど、3安打1打点1盗塁の活躍でチームの勝利に貢献していた。今季このユニフォームを着用するのは、9月8日マリナーズ戦、9月20日ガーディアンズ戦の残り2試合。“The Lou”から熱い試合を届けてほしい。
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