2021年に導入されたシティコネクトユニフォーム。本拠地を置く地域の文化や特色をモチーフとしており、一つひとつのデザインに注目すると、チームと地域のつながりや歴史を感じられる。第3回は、都会的な印象のトロント・ブルージェイズのユニフォームを紹介していく。
第2話:「1万の湖がある州」ミネソタ・ツインズは“ステート”コネクト?
ブルージェイズはシティコネクトユニフォームの発表前、球団公式SNSにて、ユニフォームを初めて見た菊池雄星(現アストロズ)のリアクション動画を公開。“That’s sick. I like it.”とデザインを気に入る様子に、ファンの期待も高まっていった。
そして、5月30日にお披露目されたのが「ナイトモード」ユニフォームだ。トロントの夜の街がモチーフとなっている。アメリカとカナダの国境にある五大湖の一つ・オンタリオ湖のピッチブルー色を基調とし、そびえ立つCNタワーとブルージェイズの本拠地であるロジャース・センター、スカイラインがスピードレッド色で描かれ、ライトアップされた街並みが夜の湖に反射しているよう。
通常のホームユニフォームで“BLUE JAYS”と記されている胸元のロゴは、1999年以来25年ぶりに“TORONTO”を採用。フォントは観光名所のネイサン・フィリップス・スクエアにあるトロントサインから着想を得ている。
襟元には“DIVERSITY OUR STRENGTH”の文字が。トロントの紋章が由来のこのフレーズは、市の多文化的なアイデンティティと、地域社会・伝統・民族性・社会的背景などの多様性こそがトロントに繁栄をもたらしたのだという基本的な信念を表している。
右袖にあしらわれたおなじみの鳥のロゴは、通常のものと色が反転。ナイトモードの配色に合わせ、落ち着いたロイヤルブルーがメインだ。袖のダブルストライプは、1977年からチームのユニフォームに欠かせない要素で、“T”を模したデザインに。パンツの鮮やかなブルーのストライプとも調和する。
そして、キャップは街の誇りを大胆かつユニークに表現したもの。トロントの市庁舎の柱を彷彿とさせる力強い“T”と、カナダ全体を象徴するメープルの葉が組み合わされている。キャップの内側にはスカイラインが心拍のように描かれ、街の鼓動を象徴しているようだ。
このユニフォームは5月31日のパイレーツ戦を皮切りに全15試合で着用。トロントの夜の街のような、活気あるプレーに注目だ。
外部リンク