5月28日、春季雅楽演奏会に臨まれた天皇陛下と愛子さま(写真:JMPA)
笛や琵琶、太鼓の音色に合わせて、舞人たちが優雅に舞うーー。
天皇陛下は身を乗り出し、愛子さまはメガネをかけて、熱心にご覧になっていた。5月28日に陛下と愛子さまは皇居内の楽部庁舎で、宮内庁楽部による春季雅楽演奏会をご鑑賞に。
「お二方は熱心に楽器について質問され、指先の細かな所作についても確認されていたそうです」(宮内庁関係者)
この日は若草色のジャケットをお召しになっていた愛子さま。柔和で知的な印象を受けるとともに、将来への安心感を抱いたと皇室ジャーナリストは話す。
「昨年12月に立て続けにおしのびで展覧会へお出かけになりましたが、父娘お二人での公式なご活動は今回が初めてです。今後はお二人で公的な場に臨まれることも増えていくのではないでしょうか。
陛下は“公的行事は夫婦で”とお考えになっておられるようです。とはいえ、雅子さまは現在もご療養中で、お疲れがたまることで、行事にお出ましになれない状況が今後生じないとは言い切れません。それにしても、雅楽演奏会での愛子さまのご様子には、堂々とした気品と存在感がありました。
これまでの天皇家では、原則的に父と娘だけでのご公務出席はありませんでした。しかし令和の皇室では、新しい試みも期待できるでしょう」
国母である雅子さまの“代理”として、愛子さまが陛下とご公務をーー。実はこうした父娘による公務は、欧州ではめずらしいことではない。ジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。
「欧州の王族たちは、カップルで社交の場に出ることを基本としていて、1人で臨むことはまずありません。親子で行動することもめずらしくないのです。
先日の英チャールズ国王の戴冠式には、スウェーデン国王のカール16世グスタフは、長女のヴィクトリア皇太子と列席しています。
また、スペイン国王のフェリペ6世は、2018年に当時13歳だった長女のレオノール王女を伴って、憲法制定40周年を祝う式典に出席。王女は初めて公式行事でスピーチを行い、注目を集めました」
愛子さまが陛下とお出かけになる効果も大きいという。
「皇室や王室は、世代の継承で成り立っています。親子で姿を現されることで、国民は継続性や安定性を感じます。さらに、親子の仲のよさを知ることで、国民の間に親しみの感情も広がっていくのです」(前出・多賀さん)
愛子さまの公の場でのさらなるご活躍を、日本国民は待っている。