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新緑が深まる学習院大学の目白キャンパス。コロナ禍による行動制限もなくなり、学生たちが授業の合間に語り合っている。4年生になった愛子さまが、ご友人たちと楽しそうにほほ笑み合う姿も見られるという。
「週に3日ほどキャンパスでお見かけすると聞いています。いつも学生らしい清楚なファッションで登校されていて、ご友人たちと並んで授業を受けられているそうです」(学習院大に通う学生)
しかし、愛子さまが大学に到着されると、穏やかなキャンパスに静かな緊張が走ることを学生たちは感じ取っていた。
「愛子さまから少し距離を取るような形で、SPがお側についています。黒っぽいスーツを着た男性や、パンツスタイルでジャケットを羽織っている女性たちなのですが、『警護の人だね』と学生同士で囁き合うほど、すぐにSPだとわかります。
教室の中まで入ってくることはないのですが、必ず1人はドアのすぐ外に立っていて、建物の出口に3〜4人、歩かれる方向に数人と、合わせると8人ほどが厳しい目つきで周囲を警戒しているのです」(前出・学生)
愛子さまの安全をお守りするため、常に目を光らせる“黒衣の8人”。登下校時の車列も、近づきがたい威容を放っているという。
「愛子さまが乗られるミニバンの前後を、侍従や警察関係者が乗るセダンやバンが走り、常に3〜4台ほどで車列が組まれていますので、学生も愛子さまがいらっしゃったことがすぐわかるそうです。また学内のあちこちに、《法規によって警衛のために警察官若干名が入構します》と張り紙があると聞きました。
眞子さんや佳子さまの通学時の警護は、皇宮警察本部の側衛官が男女1人ずつお側につきますが、警視庁の警備部警衛課と大学に近い警察署から出動してきた警察官たちは、遠巻きに警戒している程度でした。
愛子さまの周辺に常時8人が控えている体制は、学習院女子高等科に通われていたころにもなかった規模で、キャンパスにはこれまでにないほど緊張感が漂っているようです」(皇室担当記者)
天皇陛下や皇族方が自由を謳歌できるのは、短い学生生活の間だけだ。皇室ジャーナリストの久能靖さんはこう語る。
「天皇陛下や秋篠宮さまが学習院大学に通われていたころは、ご友人たちと目白の街に繰り出し、お酒を飲みながら語り合われていたこともあったそうです」
■“銃犯罪”の増加も懸念を高める要因に…
なぜ愛子さまにはこれほどの警護体制が敷かれるようになったのか。宮内庁関係者は、
「やはり相次ぐ“テロ”の影響があると言わざるをえません……。昨年7月、遊説先で銃撃された安倍晋三元首相が命を落とし、今年4月には、岸田文雄首相も応援演説のため訪れた和歌山県で手製の爆発物を投げ込まれる事件が起きました。こうした状況では、皇室の方々の警護を強化しないわけにはいかないのです」
政治のトップが狙われる“テロ”が頻発するほかにも要因があると、前出の久能さんは指摘する。
「昨今、銃器を用いた凶悪な犯罪が増えています。唯一の皇女というお立場にある愛子さまの警備が厳重になるのは、やむをえない社会情勢であると思います。
しかし、愛子さまの学生生活はコロナ禍のために通学すらままならない状況でした。ようやく通学できるようになったのに、厳重すぎる警備が敷かれていたとすればお気の毒です」
留学した英オックスフォード大学でのご経験から、天皇陛下は警護が厳しくなりすぎることの危うさを示されたこともあった。
「帰国後に開かれた記者会見で、天皇陛下は日本の警備体制が“過剰すぎる”と指摘されたことがありました。さらに陛下はこのとき、『警備というものは、国民と皇室との間を隔てるものであってはいけない』ともおっしゃったのです。それ以降、皇室の方々を取り巻く警備は、なるべく目立たないようなソフトなものになっていったのです」(前出・久能さん)
皇室と国民との間で警察が壁となる昨今の状況は、「開かれた皇室」というあり方を危機にさらしかねない。国民にとってかけがえのない存在である皇室を守るためとはいえ、愛子さまの将来にも影響を及ぼしかねずーー。
「警護が厳しいために、学生たちは愛子さまに近づきがたく感じているようです。せっかくキャンパスに足を運ばれるようになったのに、ご友人を増やしにくい環境になっているのです。それは、将来のご結婚を見すえて、恋愛対象となる方との出会いが阻まれているような状況になっているともいえるのです」(前出・皇室担当記者)
キャンパスの恋と安全の確保。このジレンマに、両陛下や宮内庁、警察も懊悩しているようだ。
「かつて天皇陛下がおっしゃったような、“ソフトな警備”を目指すことが理想とはいっても、愛子さまの安全が最優先です。現在の体制を愛子さまがどうお感じになっているのかも含めて、検証する必要があるでしょう」(前出・宮内庁関係者)
残された学生生活は1年もない愛子さま。取り巻く状況は穏やかとは言いがたいが、素敵な日々を謳歌していただきたいーー。