(写真:昨年の清和会(細田派)パーティで、森喜朗元首相と並んだ安倍前首相)
安倍晋三前首相(66)が辞任してから約9カ月。6月22日に、財務省の公文書改ざん問題の経緯を記録した”赤木ファイル”が、自殺した赤木俊夫さんの妻・雅子さんに開示された。
首相の職も離れてもなお、森友学園問題や桜を見る会問題などで、いまだに疑惑を指摘され続ける安倍氏。だが、あるベテラン政治部記者によれば、「永田町には、いまだに“安倍再々登板説”が流れています」と話し、こう続ける。
「自民党内の当選3回以下の議員、いわゆる“安倍チルドレン”たちなどが、再び首相に担ごうと、安倍氏に働きかけているんです。
強硬な保守派や自民党が優勢な地方を中心に、安倍氏や妻・昭恵さんの人気は、現在でも根強いものがあります。
昭恵さんにも、『ご主人に再々登板をぜひすすめてください』というメッセージが届いているそうなんです」
そうした“安倍チルドレン”たちの動きを知ってか知らずか、安倍夫妻への警護は、菅義偉首相(72)と同じレベルの体制が続いている。
6月24日、東京・渋谷区にある安倍夫妻の自宅マンション周辺は、首相だったころと同じ物々しい警備がいまだに敷かれていた。
大通りには機動隊車両が待機し、自宅に続く道路はバリケードで封鎖され、数メートルおきに警官が立っている。政治評論家の有馬晴海氏は、こう解説する。
■「俺ならもっと厳しめにやるのにな」
「安倍氏は、菅政権の“生みの親”と言っていいほど、現政権への影響力が強い。警護レベルの高さは、警視庁が重要人物と判断しているということにほかなりません。永田町に“安倍再々登板説”が流れている以上、警視庁も配慮しているのでしょう」
持病の潰瘍性大腸炎が悪化して辞任した安倍氏だが、「新薬の免疫抑制剤が効き、かなり回復したそうです」(政治部記者)という。
再び、政治家としての血が騒ぎはじめているのか――。
「ゴルフに出かけられるほど体調を戻し、講演や会合にも積極的に出るようになった安倍さんを、菅総理も警戒しています。5月に緊急事態宣言が延長されることが決まったとき、安倍さんは、『俺ならもっと厳しめにやるのにな』と漏らしていました」(自民党幹部)
安倍首相は、『月刊Hanada』7月号のインタビューで、“ポスト菅”に言及したことも波紋を呼んでいる。
インタビューでは、《自民党は人材の宝庫ですから》と、茂木敏充外相(65)、加藤勝信官房長官(65)、下村博文政調会長(67)、岸田文雄元外相(63)の名前を挙げていたが、「安倍さんの底意地の悪さを感じます」と、前出・自民党幹部は苦笑する。
「メディア各社の世論調査で、“次の総理”の1位に挙がる河野太郎行革担当相(58)の名前を挙げなかったんです。安倍氏が挙げた4人は、どの社の調査でも河野氏と順位に開きがある。永田町には、『安倍さんはまだやる気だ』と皮肉る人もいますよ」
総選挙がある今年。永田町では“在職歴代最長首相”の存在感が再び増している――。