「『鎌倉殿』での曲者・三浦義村役の好演で、テレビ局や映画会社から山本耕史さんへ悪役のオファーが相次いでいるんです」(制作関係者)
18日放送の最終回を目前に控え、盛り上がっているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
そのなかで1年を通して存在感を見せてきた山本耕史(46)の人気が急浮上しているという。
「今夏、悪役や敵役に定評のあった香川照之さんがホステスへの性加害を報じられ、レギュラー出演していた『THE TIME,』(TBS系)、出演予定だった日曜劇場『アトムの童』(TBS系)の降板が発表されました。報道前は香川さんにテレビや映画など多くのオファーが来ていましたが、すべて白紙に。そこで、彼の“後釜”といった形で、山本さんへ“ラスボス”的な役柄を求める出演依頼が増えていると聞いています」(前出・制作関係者)
香川照之(57)は性加害報道で、CM契約していた7社のうち6社が打ち切りに。12月6日、歌舞伎俳優・市川中車として十三代目市川團十郎白猿襲名披露で静かに舞台復帰したがーー。
「現実問題として、香川さんがドラマやCMに復帰することは厳しいでしょう。香川さんがCMを務めていた『パーフェクトサントリービール』の代役に起用されたのも山本さんでした」(前出・制作関係者)
“ポスト香川照之”とまで称されるようになった山本。テレビウオッチャーの桧山珠美氏は、山本の悪役の特徴についてこう語る。
「香川さんは顔芸を含め、全身から悪のオーラを出し、わかりやすく悪を演じていました。
一方、山本さんの場合は、今夏の『競争の番人』(フジテレビ系)のような完璧な悪役だけでなく、『鎌倉殿の13人』も『クロサギ』(TBS系)も、最初は敵か味方かわからない演じ方に魅力を感じます。何か思わせぶりな感じを残すので、視聴者はそこに何かあるのではと深読み。考察ばやりの昨今、視聴者を翻弄する新しいタイプの悪役といえるでしょう」
■「襟を正す」「老けない」演技は山本の発案だった
山本へ悪役オファーが相次ぐ背景には大きく3つの理由があると語るのは、前出の制作関係者だ。
「確かな演技力に加えて、演出力が優れているんです。たとえば『鎌倉殿』で義村が噓をついたときに出る『襟を正す癖』の演技は実は山本さんのアドリブでした。三谷さんが彼の演技を見て、後の脚本に襟の演技を付け加えたほどです」
4日、各メディアのインタビューで山本はこう語っていた。
《義村と義時のお互いが引き立つような対比をつけるために、今回義村は一切の変化を作らないようにしていこうと僕が提案しました。大河ドラマでは普通はしわや白髪を足してどんどん老けさせるんですけど、義村はメイクも変えていないんです》
前出の制作関係者は言う。
「こうした創意工夫はどの現場でも同じで、常に制作側が求める以上のことを提案してくれる。その演出力が重宝されているのです」
また、山本は現場の空気作りにも一役買っているようだ。
「義村が公暁(寛一郎)を殺すシーンではリハーサルから緊張感はすさまじいものがありました。寛一郎さんとの立ち回りも直接指導し、納得いくまで続けてました。彼がスタジオに入ってくると、いい意味で空気がピンと張り詰めるんです。主演の小栗旬さんをはじめ、みんな信頼を置いていました」(NHK関係者)
だが、収録の空き時間は一転して雰囲気を明るくするという。
「ナプキンとフォークを使って、手品を見せて出演者の緊張をほぐしたり、北条家の皆さんが記念に家族写真を撮っている最中に割り込んで『俺も北条家だ~』と自分も写りに行ったり。おちゃめなんですよね」(前出・NHK関係者)
■悪役でもスポンサー受けがよい理由は「愛妻家」
2点目は山本が個人事務所に所属していることだという。
「山本さんは家族が経営する個人事務所なので制作側としては面倒なことが少ないんです。
大手事務所の場合、ほかの出演者選びに調整が生じることがあるのですが、山本さんの場合はそうした配慮の必要性がありません。出演料も同じクラスの役者さんに比べ、お手ごろなのも魅力です」(前出・制作関係者)
また、山本には共演NGの役者がいないという。
「香取慎吾さんが山本さんのことを親友だと公言していますが、香取さんは同業者と私生活で交流をしないことで有名です。そんな彼の懐ろに入ることができたのは、山本さんの人柄ゆえでしょう。若手俳優からも慕われていて、以前、親子役で共演した高橋文哉さんを自宅に招いたと聞きました」(前出・制作関係者)
そして、最後にして最大の理由がスポンサー受けのよさだそう。
「悪役をやるにしても、役者さんの好感度は非常に大事です。山本さんの場合は奥さんが堀北真希さんで、家族を大事にしている愛妻家のイメージが強い。奥さんがすでに表舞台に出ていない神秘さがあるという点でも、スポンサー受けは非常にいいんです」(前出・制作関係者)
山本は現在、妻と2人の子供が暮らす北関東と、都内マンションの2拠点生活を送っている。前出のNHK関係者は語る。
「撮影後、共演者と飲みに行ったりすることもなく車を飛ばして真っすぐ自宅に帰っていくんです。家で待っている子供たちがかわいくて仕方がないみたいですね」
山本は広告業界でも全盛期の香川並みの人気になりそうだとか。
「今秋、サントリーに加え、HIROTSUバイオサイエンス、ヒノキヤグループの2社とも新たにCM契約。来年はさらに増えるでしょう」(広告代理店関係者)
義村ならきっと「香川の後釜は俺ーー」と言うだろう躍進ぶり。寝首をかかれないよう、ご用心!