「三浦義村役の山本耕史さん(45)が上半身裸で川に飛び込む場面は、見事な筋肉で惚れ惚れしました。
でもどこか見覚えがあるな……と思ったら、山本さんは『新選組!』と『真田丸』でも脱ぐシーンがあったんですね(笑)」
こう語るのは三谷幸喜(60)の作品のファン。三谷が大河ドラマの脚本を手がけるのは『鎌倉殿の13人』で3度目となる。
『新選組!』('04年)、『真田丸』('16年)にも出演していた俳優が複数いることから、過去作を彷彿とさせるシーンもちらほら。
今回はドラマウオッチャーの桧山珠美氏とともに、三谷大河の“あるある”を徹底分析!
【1】脱がされ続ける山本耕史
3作すべてに出演している山本は、三谷大河の“脱ぎ役”として定着しているようだ。
「山本さんは舞台『オケピ!』など、三谷作品の常連俳優です。三谷さんはベビーフェースなのに筋肉ムキムキという山本さんのギャップを面白がっているんじゃないでしょうか」(桧山氏)
NHK関係者も次のように語る。
「昔から三谷さんは山本さんのいい体を褒めているんですよ。だからサービスカット的に、毎回ワンシーンだけ脱ぐんです。今回も山本さんは三谷さんから『脱いでほしい』と要望を受け、筋トレに励んだそうです」
ちなみに丹後局役の鈴木京香(54)、土肥実平役の阿南健治(60)、三善康信役の小林隆(62)、平知康役の矢柴俊博(50)も三谷大河3作すべてに出演した。
【2】草笛光子の“頬ペチ”再来
「3月放送回で草笛光子さん(88)演じる比企尼が、大泉洋さん(49)演じる源頼朝の頬をペチペチと愛おしげに触るシーンがありました」(テレビ誌ライター)
実はこれは『真田丸』でおなじみの光景。草笛と大泉は真田家の祖母と孫として出演していた。
「真田家のスキンシップとして使われていたのです。視聴者からは“頬ペチ”と親しまれました。
『真田丸』のときに草笛さんが考案したものですが、今作ではそれを三谷さんが演出として入れ込んだそうです」(テレビ局関係者)
【3】佐藤浩市は暗殺されがち
佐藤浩市(61)が演じたのは上総広常。理不尽に暗殺され、視聴者からは“上総介を偲ぶ会”との言葉が生まれた。
「三谷大河で浩市さんが暗殺されるのは芹沢鴨を演じた『新選組!』に続いて2度目。
芹沢も広常も、ニヒルな笑みを浮かべて死んでいきます。浩市さんは『三谷さんらしいオマージュだ』と話していました」(ドラマ関係者)
惜しまれながら退場した広常。今後は源公暁として登場する佐藤の息子・寛一郎(25)にも注目!
【4】“掘り出し俳優”も必見
「三谷さんが小劇団出身だからか、舞台を中心に活躍する俳優が多数起用されています」(桧山氏)
今作では市川染五郎(17)が源義高役で一躍脚光を浴びたが、大江広元役の栗原英雄(56)もその一人。劇団四季出身で、初めて出演したドラマが『真田丸』だった。
「同じく『真田丸』に出演し、今作では源範頼役の迫田孝也さん(45)も劇団出身です。
現在は『鎌倉殿』と並行して今季のドラマ2作に出演した注目株です」(制作関係者)
【5】不穏を中和する家族たち
鎌倉御家人たちの殺伐とした権力闘争を和ませるのが坂東彌十郎(66)演じる北条義時の父・時政だ。
「時政は美しい妻に一目惚れして結婚したのに、『相手から惚れてきた』と見えを張るような愛すべきキャラクター。『真田丸』や『新選組!』も血なまぐさい物語のなかにユーモラスな主人公の父が投入されていたのが印象的でした」(前出・テレビ誌ライター)
桧山氏は次のように語る。
「チャップリンが好きな三谷さんらしい描き方だと思います。古今東西、男とは滑稽なものです」
北条家といえば政子(小池栄子・41)も存在感を放っている。
「三谷さんは“強い姉”を描きがち。一人っ子だから“強い姉”という存在に憧れがあるのかもしれませんね」(桧山氏)
ほかにも三谷大河に必須の役回りが。前出の制作関係者は語る。
「『新選組!』では中村獅童さん(49)が、『真田丸』では藤井隆さん(50)がコミカルな芝居で道化キャラを演じていました」
『鎌倉殿』で今後このような道化っぷりを発揮してくれそうだと本誌が予想するのは、瀬戸康史(34)演じる北条時連だ。
「瀬戸さんは'20年に三谷さん演出の舞台『23階の笑い』に出演しており、コメディのDNAは植え付け済みのはずです」(桧山氏)
不穏なムードが止まらない『鎌倉殿』。瀬戸演じる時連の癒し効果に期待!