「今、すごいことになっている。部屋の乱れは心の乱れ。自分の精神状態が家に反映されているのよ」
9月30日放送の『マツコ&有吉 怒り新党 解散!! 生放送2時間スペシャル』(テレビ朝日系)で自宅が「ゴミ屋敷」寸前と明かしたマツコ・デラックス(48)。テレビ局関係者は言う。
「昨年のステイホーム中にもゴミ袋が台所に山積みになり、『ゴミ屋敷』化していたそうです。何度か片付けたそうですが、今回さらに悪化したようで、夏目三久さんがひどく心配していました」
レギュラー番組を多数抱える人気者・マツコから飛び出した衝撃的な“ゴミ屋敷”告白。しかし自らの精神状態に触れたように、キッカケに心当たりがあるようだ。それは、実母の死だという。
「マツコさんは’16年にお母さんを亡くしています。必死に働いてきたのは、両親と自分の老後の資金を蓄えるためだったんです。ですが、お母さんが亡くなったことで糸が切れてしまったそうです」(前出・テレビ局関係者)
マツコは昨年9月放送の『おしゃれイズム』(日本テレビ系)で上田晋也(51)から「この仕事辞めようと思ったことある?」と問われると「今、思っている」と返答。引退をほのめかしていた。
当時、本誌は所属事務所に取材すると、社長はマツコの胸中を、「今のキャラのままで、これからずっと将来も、というのはやっぱり難しいです。これからどうするのかを自分でも考えているところです」と代弁して話してくれた。母の死、そして将来の不安もあり、部屋は散らかり放題にーー。
■「一見元気なので、周囲からはうつ状態と気づかれにくい」
心療内科「岡田クリニック」の岡田尊司院長はマツコの言葉から「仮面うつ」の可能性を指摘する。
「『うつ』状態は明らかに周りから見ても落ち込んでいて、行動や感情が停滞します。ただ、『仮面うつ』の人は、外では元気に振る舞いながらも、家に帰ると何もできなくなってしまうのです。一見元気ですから周囲からは『うつ』状態と気づかれづらい。マツコさんの場合は片付けという実行機能が低下しているのかもしれません」
そんなマツコの、目下の支えは90歳になる父親だという。冒頭の『怒り新党』でこう漏らしている。
「今90歳の父親がもしいなくなったら、さらにタガが外れて自分は体重が500キロぐらいになって部屋で動けなくなっているかも」
そこまで老父を思う理由は、彼がマツコのセクシュアリティを受け入れたことが大きいようだ。マツコは’13年7月、『朝日新聞』のインタビューで、父から戦争の体験談を聞かされていたといい、
《隣で人が火だるまになって死んでるような時代を生きた人なら、子どもが女装してメディアに出たって、『まあ、とりあえず生きてるし』って動じないよなって》
《それにはすごく感謝してるわね。あの親じゃなかったら、今の私はなかったから》
と述べている。親子カウンセラーの横山真香さんは、
「一人っ子のマツコさんは母親を亡くしたことで、幼少期から自分を知る“真の理解者”が父親だけになってしまった」と語る。
■「父の価値観に合わせることで温かい気持ちが」
「母親が亡くなり、父親の存在がより大きくなった。そして父親が生きる目的にもなったのでしょう。マツコさんの父親は昭和の早くに生まれたにもかかわらず、セクシュアリティをおおらかに受け入れてくれたそうですから、父子関係が深いのでしょう」(前出・横山氏)
マツコは今月4日放送の『5時に夢中!』(TOKYO МX系)で「もう物を買わない」と“物欲ゼロ”だと明かしている。そして前出の『朝日新聞』では子ども時代の質素な生活を振り返り、父親のことを「無欲の人」と称している。
「マツコさんの価値観は、父親の影響が大きいのでしょう。自分で稼ぐことで、散々お金も使ってきたはず。ですが、最終的にはシンプルイズザベストという父親の価値観にたどり着きました。その価値観に重ね合わせることで安心感や温かい気持ちを覚えるのでしょう」(前出・横山氏)
そんなマツコには実家で2年間ひきこもっていた時期がある。
「ゲイ雑誌の編集者として5年間働いたのち退職。思ったことができなくなり無力感を感じた20代後半のマツコさんは帰省し、ひきこもったんです。当初、お父さんは『働かないヤツは、水飲むな!』と怒ったそうです」(出版関係者)
■親に安心してもらうために仕送りを
しかし、その2年間、両親はありのままのマツコを受け止めたようだ。’15年4月の『週刊現代』でマツコは当時を回想し、「セクシュアリティや仕事内容に関しては、必要以上に踏み込んでこなかった」「デリケートなことには触れない人たちなの」と語っている。
「その後ご両親は、自分たちが引っ越しをするタイミングでマツコさんに『次の家にあなたの部屋はないからね』と告げたそうです。それを契機にマツコさんは再び一人暮らしを決心。本格的にフリーライターとして活動することになりました」(前出・出版関係者)
その後、メディアで話題となり『5時に夢中!』出演で人気に火が付いたマツコ。一気にテレビ界でスターダムを駆け上がったのはご存じのとおり。両親がハッパをかけたからこそといえるだろう。
「学生時代、友達づくりが苦手だったマツコさんは、家に帰るとテレビに没頭。ひきこもり時代もひたすらテレビづけ。『私の人格はテレビがつくった』と豪語するほどです」(別のテレビ局関係者)
テレビに出るようになってから、“親へのルーティン”も生まれた。
「仕送りをするようになったそうです。けっしてご両親がお金に困っているわけではなく、『ちゃんと仕事して稼いでるから安心してほしい』という思いからだとか。マツコさんはこれ以上自宅がゴミ屋敷化しないよう、『メルカリで断捨離しようかな』とスタッフに話していました。それは、お父さんを心配させないためでもあるといいます」(前出・テレビ局関係者)
まだ健在な実父のため「もうゴミ屋敷にはしない!」と胸に誓うマツコ。今後もテレビ界を元気づけてくれるよう、部屋と心の乱れが整うことを願うばかりだ。