「歌舞伎座で、十三代目團十郎の母・希実子さんがご贔屓筋の一人にこう頭を下げていました。『芝居に関して何かを言う立場ではないけど、チケット販売が芳しくないのは私のせい』だとーー。一時期、体調不良だった希実子さんは『まだ完全に復調したわけではないけれど、できるだけ先代から引き継いできた贔屓筋にご挨拶したい』とも漏らしていました」(後援会関係者)
11月7日、東京・歌舞伎座で十三代目市川團十郎白猿(44)の襲名披露興行が始まった。
「予想したよりも切符の売れ行きが鈍く、特に地方在住の長年の歌舞伎ファン向けの鑑賞ツアーが苦戦。近年の言動から一定数の“團十郎離れ”があったようです。團十郎に批判的だった菊五郎さんは襲名披露では彼とは共演はせず、かろうじて『口上』には並ぶも團十郎を“暴れん坊将軍”と揶揄し、観客の苦笑いを誘っていました」(歌舞伎関係者)
実は希実子さんは、今年8月に團十郎の個人事務所の取締役に再就任している。
「もともと、先代の團十郎さんが希実子さんの両親の借金の保証人になっていたために東京・代官山の土地を処分した経緯もあり、團十郎は希実子さんと距離を置き、事務所の役員から外しました。希実子さんも、先代の没後は梨園の重鎮の助言に耳を傾けなくなった息子に手を焼いていたそうです」(前出・歌舞伎関係者)
“確執”のあった母子が和解した背景には、彼女の体調問題と今回の襲名披露があったという。
「希実子さんが体調不良で入院したとき、何度も團十郎がお見舞いに来たといいます。
また、襲名披露が近づくにつれ希実子さんは先代團十郎の妻として、息子のためというより“團十郎の名前を汚さないようにしなくては”という心境に変わったそうです」(前出・後援会関係者)
そして“和解”の最大の理由は、孫で八代目市川新之助を襲名した堀越勸玄くん(9)だという。
「團十郎の話題にはあまり興味を示さない希実子さんも勸玄くんの話になると前のめりになるんです。贔屓筋の方々へ『この子はすごい子になる! 父親を超えますよ!!』と声に力が入っているのがわかりました」(前出・後援会関係者)
しかも、人間国宝も勸玄くんにお墨付きを与えていたという。
「團十郎との共演にNGを出した菊五郎さんも、勸玄くんとは共演。希実子さんに『この子は将来のすごさがわかる。楽しみですね』と満面の笑みで言っていたそうです。玉三郎さんなどほかの重鎮の方々も、勸玄くんをベタ褒め。希実子さんは親しい人に“あまりに勸玄が周りからチヤホヤされると息子のようになってしまわないか心配”と冗談交じりに言ってました」(前出・後援会関係者)
團十郎を“反面教師”にーー。希実子さんの新たな挑戦が始まる。