仙洞仮御所の庭でバラを御覧になる上皇上皇后両陛下(写真提供:宮内庁)
《お年を召され、上皇后さまにいろいろとお尋ねになることが多くなられたようにお見受けします》
上皇陛下は昨年12月23日、87歳の誕生日を迎えられた。上皇職が発表した文書には、上皇陛下のご体調に触れた一節が。
《何度か繰り返されるご質問にもその都度丁寧にお答えになる上皇后さまと、それを聞かれご納得になるといつも明るい笑顔におなりになる陛下。時に、勘違いや戸惑いがあっても、一緒にお笑いになりながら、ご記憶を新たにされ、日々のご生活を確かなものとされています》
「何度か繰り返されるご質問」「勘違いや戸惑い」……。上皇陛下の現在のご症状が赤裸々に綴られていたのだ。
上皇陛下は5年前、82歳の誕生日会見で「行事の時に間違えることもありました」と、記憶力の低下を明かされたことがあった。
「ご退位後にご公務が激減し、コロナ禍の外出自粛も重なって、さらにご症状に拍車がかかってしまった可能性もあります。認知症の症状とみられます。ここまで踏み込んだ表現になったということは、上皇職は美智子さまにも相談のうえ文面を作成したのでしょう」(宮内庁関係者)
なぜ、このタイミングでの公表となったのだろうか。美智子さまの知人は次のように明かす。
「実は上皇后さまは以前、『そのうち国民に(上皇陛下のご症状を)説明してもいいと思っているのです』とお話しになっていました。これまで上皇陛下も上皇后さまも、ご体調、ご病気については隠さず国民に伝えてこられました。今回の上皇陛下のご様子についても、陛下と熟慮のうえで公表の準備をされていたのでしょう」
美智子さまのご決意の陰には、ある願いがあるという。
「上皇后さまは、上皇陛下との生活について『私はこのときのためだけにいるのよ。ほかの誰にもできないですから』と、ご退位後の上皇陛下のお世話をなさる決意を話されたことがありました。そして、昭和から平成の初めまでを過ごされた今の赤坂御所に上皇陛下と戻ることを願われ、『そのことだけのために私は存在するのよ』と、ご覚悟を口にされていました」(美智子さまの知人)
当初の計画では今年の秋ごろに仙洞仮御所から赤坂御用地へ引っ越される予定だったが、コロナ禍で改修工事が滞るなど、大幅に延期になる見込み。
上皇陛下と1日も早く懐かしの我が家へ――。美智子さまの“涙の願い”が叶うことを祈りたい。
「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載