かつて“ヨーロッパのかわいらしいお城風”とも評された、その一軒家は東京都内の一等地に立っている。淡いピンクの外壁は、亡き小林麻央さん(享年34)が気に入っていたという。
芸能関係者は言う。
「市川海老蔵さん(43)が麻央さんとの新婚生活に備えてこの物件を購入したのは'09年12月でした。地下1階地上2階建てで、延べ床面積は約230平方メートル。中古物件でしたが、海老蔵さんは2億円で購入したと報じられています。ちなみに1億8千万円ものローンが組まれていますが、まだ完済はされていません」
海老蔵と麻央さんがこの一軒家で生活したのは7年ほど。
「大きなバスルームがあり、2人で仲よく入浴しているという報道もありました。そんな仲むつまじさもあってか、'11年に長女・麗禾ちゃん(9)、'13年には長男・勸玄くん(8)が誕生しています」
美しい母と幼い子供たちの笑い声が聞こえてくる家だったが、幸せな思い出だけで満たされていたわけではない。
「'10年には海老蔵さんが半グレ集団に暴行を受けました。また'14年にはガレージに車が突っ込むという事故も起こりました。そうしたニュースが流れるたびに、自宅には報道陣が詰めかけ、いつしか近所の住民からも“観光名所”のように見られるようになったのです」
一家にもっとも打撃を与えたのは麻央さんの、がん発症だった。
「豪華ならせん階段もありましたが、闘病に適した家とはいえなかったようです。そこで海老蔵さん一家は'17年にバリアフリーのマンションに転居したのです。麻央さんも、がんが寛解したら“わが家”に戻ろうという思いもあったでしょう。しかし転居後数カ月で、麻央さんは帰らぬ人となってしまいました……」
主たちが住まなくなって4年間、ずっと厚い鉄の扉とシャッターが閉ざされていた一軒家で“異変”が目撃されるようになったのは今年に入ってからだった。
「1月下旬、家の前に黒のワンボックスカーが止まっていたのです。海老蔵さんが帰ってきたのかな? と、思って見ていると、3人ほどのスーツ姿の男性たちが書類を持って、家の中に入っていきました。外壁や玄関の状態なども丹念にチェックしていました。ずっと人の出入りがなかったので、印象に残っています」(近所に住む女性)
■麻央さん思い出の豪邸からは内装解体業者が…
さらに2カ月後、本誌が目撃したのは自宅前に止まる内装解体会社のトラックと、家の中で作業をするスタッフたちだった。
「内装解体工事とは、一般的には建物の原状回復のために、内装部分の解体と撤去作業をする工事のことです」(不動産関係者)
衝撃に備えるためか、窓ガラスにはテープが貼られ、剥がされた壁の断熱材がどんどんトラックに積まれていった。
その後、取材を進めると、ある梨園関係者からこんな証言を得ることができた。
「海老蔵さんは、麻央さんと暮らしていた一軒家をついに売却することを決めたそうです」
実は、亡き妻との思い出の家売却については、3年前の'18年にも複数の週刊誌で報じられた。
「麻央さんが逝去して約1年たったころです。海老蔵さんが“不動産会社勤務の知人に価格などを相談している”などと報じられました。しかし結果的に海老蔵さんは売却を断念したのです」(前出・梨園関係者)
当時、本誌は歌舞伎関係者のこんなコメントを掲載している。
「海老蔵さんは『子供たちがもう少し大きくなるまでは、あの家をそのままに』と、考えているのかもしれませんね」
だがそれから3年、麗禾ちゃんは舞踊家、勸玄くんは歌舞伎俳優としての道を歩み始めている。
前出の梨園関係者が続ける。
「経済的な事情もあるでしょう。海老蔵さんの個人事務所のスタッフは10人弱もおり、運営費は最低でも毎月500万円以上かかります。それにもかかわらず、特に昨年はコロナ禍のために公演のキャンセルが相次ぎ、スタッフへの給料を支払うのも大変だったそうです。
また一軒家から離れてすでに数年たちます。お子さんたちも成長していますから、もう手放してもいいころではないかと判断したのだと思います。売却すればおそらくローンは完済できるでしょう」
4年越しで悩み続けた父・海老蔵の苦渋の決断を、子供たちも受け入れてくれるに違いない。
「女性自身」2021年5月4日号 掲載