(写真:アフロ)
関東では6月6日に梅雨入りが発表されたが、昼間は35度以上を記録するなど猛暑日が続いている。27日には気象庁が「関東甲信と東海、九州南部が梅雨明けしたとみられる」と発表し、過去最短の梅雨となった。
「25日には群馬県・伊勢崎市で観測史上はじめてとなる40度を記録しました。各地で熱中症になる人が急増し、都内では27日までに80人が救急搬送されました。7月上旬には梅雨のような気候が戻ってくるようですが、その後、再び厳しい暑さが戻ってくるようです。また、雨量の少なさから水不足も懸念されています」(全国紙記者)
そんな過酷な猛暑との闘いに“ハンデ”が課されることに。27日、東京電力管内で初となる電力受給ひっ迫注意報が発令されたのだ。15時~18時の時間帯は厳しい電力需給が想定されることから、経産省は適度な冷房の利用で熱中症を防ぎつつ、可能な限りの節電を促している。
連日続く酷暑のなか、節電を求められる国民たちーー。そのような厳しい状況にもかかわらず、政府が打ち出した“逆撫で政策”に批判が殺到しているのだ。
木原誠二官房副長官(52)は24日の会見で、節電を実施した家庭に2000円分相当のポイントを付与する考えを次のように説明した。
「節電プログラムにご参加いただくご家庭に2000円相当のポイントの支給を開始し、その後、電力会社の節電ポイントに国が上乗せをする形で支援をするということでありますので、当然、国からの予算措置というのが必要になります。しっかりとした予算措置を、財源を確保していきたいと考えております」
この「節電ポイント」とは、岸田文雄首相(64)の肝いり政策のひとつだ。前出の全国紙記者が言う。
「この政策には、物価高騰にともなう国民の電気代負担を軽減する狙いがあるようです。早ければ7月にもスタートされる見通しですが、還元ポイントは平均的な家庭で“月数十円”とも指摘されています。買い物などで広く利用できるようですが、これっぽっちだと値上がりが相次ぐ日本では家計の足しにもなりません。またポイントのために節電を頑張って、体調を崩してしまう人が出てくる可能性もあります。
加えて、野党や与党もこの政策を批判しています。公明党の山口那津男代表は参院選の演説で、『無理して節電して熱中症になったら元も子もない』と指摘。日本維新の会の馬場伸幸共同代表は、健康や経済に支障が出ることを懸念し原発の再稼働を訴えています。電力ひっ迫を受けて来月に予定していた姉崎火力発電所の再稼働も前倒しされることになりましたが、脱炭素が叫ばれるなか一層の批判を呼びそうです」
ネット上では岸田政権の「節電ポイント」を“愚策”だとして、不満の声が噴出している。
《こんなクソ暑い中でクーラー使わずに節電するなんて無理ゲーすぎる。それで、この期に及んで節電ポイント導入するとか愚策すぎる…こういう有事の時に限って動かせる原発は動かさないと、停電になったら元も子もないよ…》
《ポイントの充実じゃなく電力量を充実させるのが政府の仕事です。コロナ対策で功を奏したからと言って、為政者がお願いベースの国民頼みの無策乱発ではいけない》
《節電のお願いだけならまだ可能な範囲で協力しようと思うけど、岸田ポイントみたいな馬鹿にされるような制度があると逆にどうでもいいんやなという風に感じる人は少なくないのでは》
《岸田ポイント、ヤバい。バカにしすぎ》
マイナンバーカードの普及に引き続き、節電にまでポイントを押し出す岸田政権。国民の声を本当に聞いているのだろうか。