「本当に主人は主人、私は私で。皆さんにご迷惑をかけないように、ちゃんと仕事させていただこうという認識です」(「週刊ポスト」9月9日号より)
タレントの三田寛子(56)が、夫であり歌舞伎俳優の中村芝翫(57)との別居を認めた。これまで芝翫の度重なる浮気報道を乗り越えてきた夫婦が結婚31年目にして離婚の危機にあるという。
8月24日、厚生労働省が発表した統計によると、2020年に離婚した夫婦の5人に1人にあたる21.5%が結婚生活を20年以上続けた「熟年離婚」だったという。
「新しい結婚や出産のあり方などは、芸能人の動向に少し遅れて一般人の間に広まっていきます。離婚もまた例外ではありません」
家族問題評論家の池内ひろ美さんは解説する。安室奈美恵さんや酒井法子など、芸能界で“おめでた婚”があたり前になってから、一般人の間でも増えていったように、熟年離婚も以前から、芸能界では珍しいものではなくなっていたという。
「熟年離婚にはいくつかのパターンがあります。芸能人も一般人もそこは同じです」(池内さん)
それでは芸能人はどんな理由で熟年離婚しているのか見ていこう。
■夫から切り出す離婚には女性の影が
「ビートたけしさん、石坂浩二さん、橋幸夫さんはいずれも再婚ありきでした。妻とはすでに別居していて、長年自分を支えてくれた“恋人”と入籍したいという事情があった。女性からも『長年尽くしたのだから正式に』というプレッシャーもあったでしょう」
そう語るのは芸能ジャーナリストの城下尊之さんだ。芸能界でも一般の世界でも、男性から熟年離婚を切り出す場合、別の女性の影が見え隠れすることが多いという。
「『女優である浅丘ルリ子に老母の介護を任せるわけにはいかない』といって離婚してから、5日後に再婚した石坂さんには、世間もだまされましたね。妻側は夫の言い分を額面どおりに受け取るのは要注意です。ただ、妻が相応の財産分与なり慰謝料を受け取れるなら、世話から解放され、自分の老後を充実させられるので、そんな夫とは別れてしまってもいいでしょう」(池内さん)
水前寺清子と八代亜紀は、いずれも夫がマネージャーや事務所の社長として公私にわたり妻を長年支えてきた。
「2組とも超熟年になり離婚の道を選択。八代さんの夫には新たな女性の存在も取りざたされました。公私ともにパートナーというのは、気持ちを切り替える時間がありませんから、つらいのかもしれませんね」(城下さん)
■自ら離婚を選んだ妻は前向きに
夫婦で一緒に働いていて、妻が稼ぎ頭で夫をリードしている場合も、夫から離婚を切り出すケースは多いと池内さん。
「妻は夫のことを男性としてではなく、弟子や後輩のように見てしまう。夫のほうも仕事に忙殺されている間はよしとしていますが、晩年になり仕事が減り落ち着いてくると『これでよいのか』と人生をやり直したくなってしまう」
一方、子供の独立や夫の退職を機に、妻が夫を見限る熟年離婚も増えている。
「河野景子さんは典型ですね。親方だった貴乃花さんが相撲協会と対立して、突如として退職。親方の妻としての役目を終えたタイミングで早々に離婚を決断しました。鈴木保奈美さんも石橋貴明さんが地上波のレギュラーをすべて失ったタイミングで離婚をしました」(城下さん)
家庭を顧みず第一線で働いてきた夫の退職が、熟年離婚の引き金になることは多いという。
「プライドを捨てられない夫は仕事をえり好みし、再就職先が見つかりにくい。ずっと家にいるくせに、『家のことをおろそかにしないなら、仕事をしてもいいぞ』などと不可解な束縛をしてくる。ぬれ落ち葉のような夫に妻はうんざりしてしまうんです」(池内さん)
夫を見限って離婚した妻は、未練なく前向きに生きていける。河野景子は映画プロデューサーと新しい恋を始めていると伝えられているし、鈴木保奈美は本格的に女優復帰し、ドラマに引っ張りだこだ。自ら離婚を選んだ妻たちが、恋に仕事に前向きに生きているのを見れば、あなたも思うことはあるのではないだろうか?