米カリフォルニア州のサンディエゴ動物園サファリパークで、ゴリラに新型コロナウイルスの陽性反応が出たことがわかったとAP通信が伝えた。類人猿への感染が確認されたのは世界初と見られている。
パーク責任者のリサ・ピーターソン氏によると、6日に数頭の猿が咳をしていたためゴリラの糞便検査をしたところ、共に暮らす3頭に陽性反応が見られたという。飼育員の中に無症状の陽性者がいたため、その飼育員から感染したと考えられている。群れは8頭で構成されており、全頭が感染していると見て残り5頭の検査も進められている。
「多少の鼻水と咳が出ていますが、ゴリラたちは元気にしています。群れを引き離すことはデメリットの方が上回るため行いません。野生動物である彼らは独自の回復力を持っており、私たちとは異なる方法で治癒に向かって行きます」とピーターソン氏はコメント。ゴリラたちは現在、餌の他にビタミン剤が与えられているが、薬の投与などウイルスのための特定の処置は受けていないという。
今回感染したゴリラは、密猟や病気が原因で生息数が過去20年間に約6割も減少しているニシローランドゴリラだという。