物議呼ぶ「子供の留守番は虐待」条例 団長議員の好きなアニメは「クレヨンしんちゃん」の大ブーメラン
埼玉県議会の自民党県議団が提出した、県虐待禁止条例の改正案が物議を醸している。
改正案では小学3年以下の子供に対して、保護者が「短時間でも子供に留守番させる」「子供同士で公園で遊ばせる」「子供にお使いを頼む」「子供だけで登下校させる」などの行為をした場合、虐待と認定。「子供だけを置いてごみ出しや回覧板で外出」も場合によっては条例違反としてみなされることがあり、県民にはこういった行為を目撃した際、通報を義務づけるという。
自民党県議団の団長である田村琢実議員(51)は10月6日、「テレ朝NEWS」で配信されたインタビュー動画で「留守番も虐待?」という質問に「もちろんです」と回答。そして、「子供が放置をされている状態を我々は『虐待』と定義をし、留守番ができるからといって小3以下の子供を残して外出している状態がいかに危険か、そこの意識の認識を変えていただきたいというのが私どもの条例に対する思い」などと語っている。
13日の本会議で採決が行われ、可決される見通しにある同条例。可決されると来年4月に施行予定だ。
しかし、あまりに非現実的な内容に対し、現在さいたま市PTA協議会が中心となり、署名サイト「Change.org」などで反対運動が始まっている。SNS上でも《非現実的すぎる。。この条例の下では親は仕事すら出来ない》と抗議の声が相次ぐ状況だ。
条例の内容については著名人の間でも波紋を呼んでおり、俳優の高知東生(58)は《仲間とも話したけど、埼玉県の子供を1人にさせたら虐待という条例には仰天した。あれは多分子育てを自分ではやっていない、もしくは人手のある環境で子育てができた人の発案だろうな。シングルマザーなんかどうするんだ?働きに出ることもできないぞ。今以上に親の負担を増やす政策なんかやめてくれよ》とX(旧Twitter)に投稿。
元明石市長の泉房穂氏(60)も《埼玉県の条例(“子どものみの外出、留守番禁止条例”)が施行されると、普通に子育てしているだけで”通報“の対象にされてしまう。こんな“無茶苦茶な条例”を通してはならない》とポストしている。
■田村議員にブーメラン!「しんちゃんが大好きなのは謎すぎるだろ」
そんななか、先述の田村議員のある“矛盾”に注目が集まっている。田村議員はXのプロフィール欄に《クレヨンしんちゃん好き》と綴っているのだ。自身のブログでも、映画の感想や「クレヨンしんちゃん」のグッズを集めていることを投稿したり、野原一家のイラストと撮影した記念写真をアップしている。
人気アニメ『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)の舞台は埼玉県春日部市。主人公の“しんちゃん”こと野原しんのすけは5歳で、劇中では子供だけで公園で遊んだり留守番をしたりというシーンがある。つまり、虐待禁止条例の改正案に則れば、“しんちゃん”の両親である野原夫妻の行為は虐待認定されてしまう。
自身が“虐待認定”する行為が描かれるアニメを“好き”とアピールする田村議員。SNS上では、その矛盾を疑問視する声がこう上がっている。
《埼玉県議の田村議員はクレヨンしんちゃん好きらしいけど、しんちゃんめっちゃ条例違反》
《子どもを留守番させたら虐待条例を進める田村琢実。これが虐待なら虐待のオンパレードのクレヨンしんちゃんが大好きなのは謎すぎるだろ》
《こどもだけで行動させるのを虐待という団長 クレヨンしんちゃん好きだと。自分の考える虐待行為をしている漫画が好きてやばくないですか?》
田村議員はこの“ブーメラン”をどのように受け止めるだろうか?